ドル円、一時約半年ぶり安値圏へ急落。グローバルにリスク回避ムードが再燃(9/22朝)

21日(月)の外国為替市場でドル円は急落後に急反発。

ドル円、一時約半年ぶり安値圏へ急落。グローバルにリスク回避ムードが再燃(9/22朝)

ドル円、一時約半年ぶり安値圏へ急落。グローバルにリスク回避ムードが再燃

〇ドル円FinCEN文書による大手金融機関の資金洗浄疑惑に急落、一時104.00まで下落
〇ユーロドルリスク回避のドル買い円買いムードに1.1731に値を下げる
〇ドル円、テクニカル、ファンダメンタルズとも下落リスクが警戒される
〇ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:104.00ー105.20

海外時間の為替概況

21日(月)の外国為替市場でドル円は急落後に急反発。@FinCEN文書(米財務省金融犯罪取締ネットワーク)にて世界の大手金融機関が資金洗浄(マネーロンダリング)に利用されていた可能性があると報じられたことや、A新型コロナウイルスの感染者数再拡大懸念(特にフランスやスペイン、英国など)、B上記@Aを背景とした欧米株の急落(リスク回避の株安→クロス円売り→ドル円連れ安)、C米8月シカゴ全米活動指数(結果0.79、予想1.19)の冴えない結果、D本邦祝日中の隙を突いたフラッシュクラッシュへの警戒感が重石となり、米国時間には、3/12以来、約半年ぶり安値となる104.00まで急落しました。しかし、心理的節目104.00で下げ渋ると、E短期間で下落した反動からショートカバーが活発化し、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、104.69近辺まで持ち直す動きとなっております(8営業日ぶり陽線出現)。

21日(月)のユーロドル相場は急反落。@FinCEN騒動に端を発したリスク回避のドル買い・円買いムードや、AラガルドECB総裁によるユーロ高牽制発言(私達はユーロの上昇に注意を払っているとの発言)、BECBによる根強い追加緩和観測、C欧州圏での新型コロナウイルス感染者数の急拡大(フランスやスぺインで制限措置再導入の動き)、D英合意無き離脱リスクの高まりが重石となり、米国時間には、約1ヶ月半ぶり安値となる1.1731まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、1.1768近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、8/28に記録した高値106.96をトップに反落に転じると、昨日は約半年ぶり安値となる104.00まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を強く印象付けるチャート形状となっております(104.00を記録した後にショートカバー主導で急反発するも戻りは鈍い)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(日本側はアベノミクス→スガノミクスへのスムーズな移行に際してある程度の不確実性が残る一方、米国側は2023年までのゼロ金利政策の継続を示唆)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(今週は冴えない米経済指標が相次ぐ展開)、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不透明感(11/3の米大統領選)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しに警戒)、H英合意無き離脱リスクの再燃など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも下落リスクが警戒されます。欧米株の動向(株安→リスク回避の円買いへの波及経路)や、米中対立及び英国情勢に関するヘッドライン、米主要経済指標の結果(8月中古住宅販売件数や9月リッチモンド連銀製造業指数、パウエルFRB議長発言など)、FinCEN文書騒動の行方、欧米を中心に広がる新型コロナ第2波リスクを睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(本日も本邦祝日となるため、フラッシュクラッシュへの警戒感が根強い他、菅政権発足直後とあって円高牽制が出づらいとの思惑もドル円・クロス円の重石)。

本日の予想レンジ:104.00ー105.20

注:ポイント要約は編集部

ドル円、一時約半年ぶり安値圏へ急落。グローバルにリスク回避ムードが再燃

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