ドル円、106円を挟んで方向感に欠ける展開。本日はECBがメインイベント(9/10朝)

9日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。

ドル円、106円を挟んで方向感に欠ける展開。本日はECBがメインイベント(9/10朝)

ドル円、106円を挟んで方向感に欠ける展開。本日はECBがメインイベント

〇ドル円一目均衡表雲下限付近105.81まで下落するも持ち直し106円台前半を回復
〇欧米株の上昇によるリスク選好的な動き、トランプ大統領の10月にもワクチン実現との発言がサポート
〇ユーロドルは1.1753まで下げ幅を広げるも、1.1831まで急伸
〇英国の合意無き離脱リスク、ECBによる追加緩和観測の後退で反発
〇ドル円心理的節目106円丁度を挟んで方向感に欠ける値動き続く
〇5営業日連続で高値を切り下げ上値重い 本日の予想レンジ:105.50ー106.40

9日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@米中対立懸念(トランプ米大統領は中国との経済関係を制限する姿勢を強調)を背景としたリスク回避的な円買いムードや、A来週の米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にした追加緩和期待が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値105.81まで下落しました。しかし、一目均衡表雲下限付近で続落を阻まれると、B欧米株の上昇(ハイテク株が主導)を背景としたリスク選好的な円売り圧力や、Cトランプ米大統領による「ワクチン開発が進んでおり、早ければ10月にも実現の可能性」との発言、

D英国の合意無き離脱リスクの後退を受けた英ポンドの買戻し(英ポンド円上昇→ドル円連れ高)、EECBによる追加緩和観測の後退を受けたユーロの買戻し(ユーロ円上昇→ドル円連れ高)、F米7月JOLT求人件数(結果661.8万件、予想600.0万件、コロナ禍による経済封鎖前の水準を回復)の良好な結果が支援材料となり、米国時間にかけて、高値106.28まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、106.18近辺で推移しております。

9日(水)のユーロドル相場は下落後に急上昇。@リスク回避のドル買いを背景に、米国時間朝方にかけて、安値1.1753まで下げ幅を広げるも、A英国の合意無き離脱リスクの後退(英国の国内市場法案→欧州連合は英EU離脱に関する交渉の一部停止を求めない→英ポンド買戻し)を受けて英ポンドが上昇に転じると(ユーロドルも連れ高)、BECBによる追加緩和観測の後退(ECBメンバーがユーロ圏の経済見通しに自信を強めているとの一部報道)を受けたユーロドルの買い戻しや、C来週の米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にした追加緩和期待の再燃、D欧米株の上昇を受けたリスク選好のドル売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1831まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1810近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、心理的節目106円丁度を挟んで方向感に欠ける値動きが続いております(一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限が全て同水準に密集する状態)。テクニカル的にみて、レンジ相場の継続(方向感を見出しづらいトレンドレスな相場展開)が予想されます。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違い(日本側は安倍晋三首相辞意表明を経てアベノミクス終了の思惑が広がる一方、米国側はジャクソンホールを経て大規模量的緩和の長期化期待。9/15ー9/16に予定されているFOMCに向けた追加緩和期待もドル売り要因)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(トランプ米大統領が再び対中強硬姿勢を強調。米国土安全保障省は一部の中国人大学院生に対してビザの発給を停止すると発表)、C日米の政局不透明感(9/14の自民党総裁選及び、11/3の米大統領選への警戒感)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の大幅な乖離(リスク回避ムードの再燃リスク)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、ファンダメンタルズ的な弱さを背景に軟調推移(上値余地は限定的)が続くと予想されます。欧米株の動向や、米中対立激化に関するヘッドライン、トランプ米大統領のツイート内容、欧米の主要経済指標の結果(ECB理事会や、米8月生産者物価指数、新規失業保険申請件数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(ドル円は5営業日連続で高値を切り下げる展開=上値が重い。本日予定されているECB理事会にて年内の追加緩和観測が後退すれば、株式市場の下落を通じて、クロス円売り→ドル円連れ安に波及する恐れもあり要注意)。

本日の予想レンジ:105.50ー106.40

注:ポイント要約は編集部

ドル円、106円を挟んで方向感に欠ける展開。本日はECBがメインイベント

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