英国情勢に本日も要注意、米国は株価を注視(9/9夕)

9日の東京市場は、ドルが小安い。値幅そのものは小さいが、昨日のNYクローズでは辛うじて維持した106円を割り込む展開となっている。

英国情勢に本日も要注意、米国は株価を注視(9/9夕)

英国情勢に本日も要注意、米国は株価を注視

〇ドル円、106円を割り込み終盤にかけて105.80レベルへと値を崩す
〇ポンドは対円で7/31以来となる137円割れを示現、目先高値から1週間強で6円近い下げ
〇米ファイザーなど欧米製薬9社「拙速なワクチン使用に懸念を表明」する共同声明を発表
〇フランス政府、来週のロシアとの外相および国防相協議、「毒殺未遂」事件を受け延期
〇英国、10日まで実施されるEUとの首席交渉官級通商協議には引き続き注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.50-106.50

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は、ドルが小安い。値幅そのものは小さいが、昨日のNYクローズでは辛うじて維持した106円を割り込む展開となっている。

ドル/円は106.00-05円でオープンしたのち、しばらくは揉み合い。106円を挟んだ、105.90-05円といった値動きをたどるも、終盤にかけて底割れすると105.80円レベルへと値を崩している。時間外取引のNYダウ先物など米株が弱含みとなったことが嫌気されていたという。16時現在では105.85円レベルで推移し、欧米時間を迎えていた。
そうしたなか、前日対円やドルで大きく下落したポンドは本日も弱含み。対円では7月31日以来となる137円割れを示現、目先高値から1週間強で6円近い下げになる。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「ロシア情勢」について。
前者は、久しぶりに「新型コロナの感染拡大」が金融市場でも話題に。なかでも欧州、たとえばフランスにおいて「新規感染者数が過去最多を更新」したことなどが警戒感を醸していた感を否めない。感染予防対策が甘いまま、サマーバカンスなどで人の移動が増えたことが要因ではないかと言われている。そうしたなか、米国ではトランプ大統領が早期のワクチン準備に自信を示し、実用化の時期について「来月中かもしれない」と述べていたが、米ファイザーなど欧米製薬9社はトランプ発言を念頭に置いたと目される「拙速なワクチン使用に懸念を表明」する共同声明を発表していた。

対して後者は、ロシア反体制派リーダーであるナワリヌイ氏毒殺未遂について、G7外相が「もっとも強い言葉で非難する」とした共同声明を発表するとともに、ロシア政府に対し、誰が襲撃に関与したのか早急に明らかにするよう求めている。また、フランス政府は、来週予定していたロシアとの外相および国防相協議について、「毒殺未遂」事件を受け協議を延期したと明らかにしていた。ロシア包囲網がジワリと強まりつつあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日、筆者は「マーケットの関心も、英国を含めた欧州情勢へと移行している感を否めず、むしろユーロやポンドの価格変動に注意を払いたい」−−と指摘したが、するとドル/円は終日を通しわずか50ポイント程度の変動にとどまるなか、ポンド/円はその5倍近い2.4円もの値動きをたどっている。それもおおむね「寄り付き高・大引け安」の展開だった。ともかく、そんなポンド相場は本日も要注意で、さらなる下落を警戒する声も少なくない。
材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「安倍首相辞任とその後継者人事」、「ベラルーシ情勢」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、さらに「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」も市場の注目を集めはじめている。そうしたなか、先でも取り上げように英国情勢、そしてロシアを含めた欧州情勢に要注意だが、米国においては調整の流れが止まらない米株の動きが注視されているようだ。「米株続落=さらなるドル安進行」となるのか否かにも要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週後半から3-4日ほど推移していた106.00-55円という狭いレンジの下限を割り込んできたものの、8月以降推移している大きなレンジ105-107円にはいまだとどまっている。このあとの欧米時間にドルは続落し、105.20円や105.10円を目指すのか、それとも一旦下げ渋るのか、どちらの展開をたどるのか、状況をしっかりと見極めたい。

一方、本日は、7月の雇用動態調査などの米経済指標が発表されるものの、市場の関心は低く、影響は基本限定的か。ただ、米財務省による10年債の入札が実施される見込みで、そちらには要注意。
また英国情勢、なかでも10日までの予定で実施されているEUとの首席交渉官級通商協議には引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.50-106.50円。これまでサポートとして寄与してきた106円レベルが最初の抵抗か。抜ければ106円半ばをメドに、さらなるドルの戻りも。
対するドル安・円高方向は、本日安値にあたる105.80円レベルの攻防が注視されている。下回ると、105.20円や105.10円が視界内に入り、ターゲットとして意識されそうだ。

英国情勢に本日も要注意、米国は株価を注視

ドル円日足

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