ドル円、レーバーデーで薄商いの中、狭いレンジ内で身動き取れず
〇ドル円NY祝日で106円台前半での小動き終始 ユーロドルも1.18台前半で動意薄
〇ドル円相場は、テクニカル的にレンジ相場を示唆、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻む
〇レーバーデー明けの米株市場の動向注目
〇株安を受けたリスク回避的な円買い圧力と、米追加緩和観測に伴うドル売り圧力がドル円の重石か
〇本日の予想レンジ:105.80ー106.50
海外時間の為替概況
7日(月)の外国為替市場でドル円は小動き(レーバーデーで米市場休場→市場参加者減少で動意薄)。@先週末金曜日に発表された米雇用統計の力強い結果や、A週明け株式市場の底堅い動き、B上記Aを受けたリスク選好の円売りが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値106.39まで上昇しました。しかし、C米中対立懸念や、D北朝鮮による「米大統領選に向けて潜水艦発射弾道ミサイル=SLBMの試験発射を準備中」との一部報道、E来週の米FOMC(連邦公開市場委員会)を前にした追加緩和観測が重石となると伸び悩み、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、106.28近辺まで小反落する動きとなっております。
7日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@英国の合意なき離脱リスクの再燃(英政府高官が欧州連合との協議について「我々は退却する選択を考察中」と発言)や、AECBによる根強い追加緩和観測(今週木曜日に発表)、B先週末金曜日に発表された米雇用統計の力強い結果、Cドイツ7月鉱工業生産(結果▲10.0%、予想▲7.3%)の冴えない結果が重石となり、米国時間にかけて、一時1.1812まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1814近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、節目106円を挟んで方向感に欠ける値動きが続いております(一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限が全て同水準に密集している状態)。テクニカル的にみて、レンジ相場(方向感を見出しづらいトレンドレスな相場)の継続が予想されます。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策余力の違い(日本側は安倍晋三首相辞意表明を経てアベノミクス終了の思惑が広がる一方、米国側はジャクソンホールを経て大規模量的緩和の長期化期待。9/15ー9/16に予定されているFOMCに向けた追加緩和期待もドル売り要因)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、D日米の政局不透明感(9/14の自民党総裁選及び、11/3の米大統領選への警戒感)、
E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク(北挑戦による「潜水艦発射弾道ミサイルの試験発射を準備中」との報道、F新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、H米株安を背景としたリスク回避ムードの再燃リスク(実体経済と株式相場の乖離。レーバーデー明けとなる今晩の米株市場に注目)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にレンジ相場を示唆しつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」シナリオが想定されます。レーバーデー明けの米株市場(複数のメディアで報じられているソフトバンクグループによる巨額オプションに係るマーケットメーカー側のショートガンマ操作が続くか否か)の動向や、米中対立激化に関するヘッドライン、トランプ米大統領のツイート内容(ブラックアウト期間入りしたことから、要人発言としてトランプ米大統領のツイートに注目が集まる)の動きを睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(株安を受けたリスク回避的な円買い圧力と、米追加緩和観測に伴うドル売り圧力がドル円の重石)。
本日の予想レンジ:105.80ー106.50
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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