ドル円、106円台での上値の重さを再確認。リスクは依然下向きか
〇ドル円海外時間冴えない米経済指標に105.75まで反落
〇ユーロドルは1.1803まで下落後に1.18台後半を回復
〇ドル円、テクニカル、ファンダメンタルズとも、「下落リスク」が警戒される
〇短期筋主導の見切り売りに要警戒
〇本日の予想レンジ本日の予想レンジ:105.20ー106.20(←訂正×122.0万円ー130.0万円)
海外時間の為替概況
20日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。@日本時間早朝に発表されたFOMC議事要旨にてイールドカーブコントロールの導入に消極的な見解が示されたこと(米追加緩和観測後退→米長期金利上昇→ドル高)や、A本邦公表相場決定にかけての需給要因(5・10日に係るドル買い・円売り)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値106.21まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、B米中対立激化を嫌気したリスク回避ムードの再燃や、C米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(結果17.2、予想21.0)及び、D米新規失業保険申請件数(結果110.6万件、予想92.5万件)の冴えない結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値105.75まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、105.78近辺で推移しております。
20日(木)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@米中協議(第1段階通商合意の履行状況を検証するための協議)再開の思惑(ドル買い要因)や、A米追加財政政策への期待感(ドル買い要因)、B米追加緩和観測の後退(FOMC議事要旨でイールドカーブコントロール導入に消極的な見方→米長期金利上昇→ドル高)、CECB議事要旨にて「引き続き下方リスクが根強い」との見方が示されたこと等が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1803まで下落しました。しかし、心理的節目1.1800やボリンジャーミッドバンドに続落を阻まれると、D冴えない米経済指標を受けたドル売りが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.1862近辺まで持ち直す動きとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/13に記録した約3週間ぶり高値107.06をトップに反落に転じると、8/19には、一時105.11(7/31以来の安値)まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(FOMC議事要旨後に反発に転じるも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれる形で結局反落。目先は強い売りシグナルを示唆する三役逆転の再点灯に要注意)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(来週8/27に予定されているカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム=ジャクソンホールに注目)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(新規失業保険申請件数が再び100万件の大台突破)、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。米中対立激化に関するヘッドラインや、米追加財政政策を巡る続報、日米欧の主要経済指標(本邦7月消費者物価指数、ドイツ8月製造業及びサービス業PMI速報値、米8月製造業及びサービス業PMI速報値、米7月中古住宅販売件数など)の結果、欧米株及び米長期金利の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(106円台での上値の重さを再確認。短期筋主導の見切り売りに要警戒。8/19に記録した直近安値105.11を試す展開か)。
本日の予想レンジ:105.20ー106.20
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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