ドル円、米雇用統計後のドル高地合いが継続するも106円台では上値も重い(8/11朝)

10日(月)の外国為替市場でドル円は上昇。

ドル円、米雇用統計後のドル高地合いが継続するも106円台では上値も重い(8/11朝)

海外時間の為替概況

〇ドル円106円付近、米国早朝に一時106.21まで上昇
〇ユーロドル雇用統計以降のドル買いの流れに上値重い1.17台半ばに反落
〇戻り売り優勢の地合い、テクニカルも地合い悪い
〇米中対立激化、コロナ感染拡大で上値重い流れ続く
〇本日の予想レンジ:105.40-106.30

10日(月)の外国為替市場でドル円は上昇。@先週末金曜日に発表された米雇用統計が力強い結果を示したことや、A週明けの株式市場が底堅く推移したこと(米ダウ平均株価は300ドル超の上昇)、B中国のインフレ指標(消費者物価指数及び生産者物価指数)が市場予想を上回ったこと(インフレ鈍化懸念の後退)、Cトランプ米政権による追加経済対策期待(トランプ米大統領が追加財政措置で大統領制に署名)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値106.21まで上昇しました。しかし、一目均衡表基準線及びボリンジャーミッドバンドに続伸を阻まれると、D新型コロナウイルスの感染拡大や、E米中対立激化が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、105.95近辺まで小緩む展開となっております。

10日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@先週末金曜日以降のドル高の流れ(力強い米雇用統計→米長期金利上昇)や、A1.19台を維持できなかったことに伴う見切り売り(ECB高官よりユーロ高牽制発言が出るのではないかとの思惑もユーロロングの解消を誘発)が重石となり、米国時間朝方にかけて、約1週間ぶり安値1.1741まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1760近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、7/1に記録した高値108.17をトップに反落に転じると、7/31には、一時104.19(約4ヵ月半ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや雲下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的にみて、「地合の悪さ」を印象付けるチャート形状となっております(足元106円絡みまで値を戻すも上値は重たい=戻り売り優勢の地合い)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、積極的な緩和方針の継続を示した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感の高まり)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念(世界経済の更なる下押し→企業破綻の増加)、G日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数再拡大→日本経済低迷→デフレマインド再燃→予想実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「下落リスク」が警戒されます。欧米株や商品市況の動向や、新型コロナ第2波リスクに絡むヘッドライン、米中対立激化を巡る続報、欧米の主要経済指標の結果(ドイツ8月ZEW景況感指数や、米7月生産者物価指数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(米中対立激化や新型コロナウイルスの感染拡大を背景に上値の重い展開が継続=足元は下落トレンドの中で見られる一時的な戻り局面)。

本日の予想レンジ:105.40ー106.30

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ドル円日足

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