ドル円、日銀による追加緩和観測後退を背景に失望売りが優勢(7/16朝)

15日(水)の外国為替市場でドル円は下落。

ドル円、日銀による追加緩和観測後退を背景に失望売りが優勢(7/16朝)

ドル円、日銀による追加緩和観測後退を背景に失望売りが優勢

〇ドル円米国時間に一時106.67まで下落
〇日銀金融緩和観測の後退、香港自治法への署名、リスク選好のドル売りが背景
〇ユーロドルは一時約4か月ぶりに1.1452まで上昇
〇ドル円、テクニカル、ファンダメンタルズとも上値の重さ警戒される
〇目先は7/10安値106.64を試す展開を想定
〇本日の予想レンジ:106.50ー107.30

海外時間の為替概況

15日(水)の外国為替市場でドル円は下落。@日銀金融政策決定会合にて現行の金融政策が維持されたことに加えて(追加緩和見送り)、A黒田総裁記者会見においても「3月以降コロナ対応の効果が発揮されている」との発言が見られたこと(追加緩和観測後退)、B上記@Aを受けた失望感(円買い)、Cトランプ米大統領による「香港自治法」への署名(米中対立激化懸念)、D欧米株及び原油先物価格の上昇を受けたリスク選好のドル売り圧力が重石となり、米国時間には、一時106.67まで下げ幅を広げました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、106.97近辺で推移しております。尚、昨日発表されたベージュブックでは、「依然としてパンデミック前の水準を下回っている」「経済見通しは極めて不透明」との見解が示されましたが、市場の反応は限定的となりました。

15日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。@株高・原油高を背景としたリスク選好のドル売り圧力や、A新型コロナ復興基金への期待感(7/17−7/18に予定されているEU首脳会合で協議)、B対スイスでのユーロ買い圧力、C6/10に記録した直近高値1.1423を上抜けたことに伴うロスカット(ショート勢によるストップバイ)が支援材料となり、米国時間にかけて、3/10以来、約4ヵ月ぶり高値となる1.1452まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点では(日本時間4時45分現在)では、1.1408近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、7/1に記録した高値108.17(約3週間ぶり高値)をトップに反落に転じると、昨日は一時106.67まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、一目均衡表雲下限及びボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転も成立するなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きな米国。※イールドカーブ・コントロール導入議論を続ける米国と、昨日の日銀金融政策決定会合を受けて追加緩和観測が後退した日本)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(トランプ米大統領による「香港自治法」への署名)、C世界的な貿易戦争拡大リスク、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナ第2波リスク、F日本経済の先行き不透明感(日本経済の低迷→インフレ鈍化→実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます。欧米株や原油先物価格の動向や、新型コロナ第2波リスクに絡むヘッドラインや、米中対立激化を巡る続報(米国による香港自治法署名を受けて、香港や中国からの抵抗は必至)、米主要経済指標の結果(米6月小売売上高や、米新規失業保険申請件数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(テクニカル的な弱さに加えて、新型コロナ第2波リスクや米中対立激化が相場の重石。目先は7/10安値106.64を試す展開を想定)。

本日の予想レンジ:106.50ー107.30


注:ポイント要約は編集部

ドル円、日銀による追加緩和観測後退を背景に失望売りが優勢

ドル円日足

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