ドル円、不冴なADP雇用統計を背景に一時106円割れ。クロス円の下落も重石に(5/7朝)

6日(水)の外国為替市場でドル円は下落。

ドル円、不冴なADP雇用統計を背景に一時106円割れ。クロス円の下落も重石に(5/7朝)

ドル円、不冴なADP雇用統計を背景に一時106円割れ。クロス円の下落も重石に

海外時間の為替概況

6日(水)の外国為替市場でドル円は下落。@新型コロナウイルスを巡る米中対立懸念の高まり(リスク回避のドル買い→クロス円下落→ドル円連れ安の流れ)や、A本邦大型連休期間中のフラッシュクラッシュへの警戒感、B過去最大の落ち込みを示した米・4月ADP雇用統計(結果▲2023.6万人、予想▲2100万人)、Cテクニカル的な地合いの弱さ(強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転の成立+4/29に記録した直帰安値106.36割れ)、D米主要株価指数の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、3/17以来、約1ヶ月半ぶり安値となる105.99まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、106.10付近で推移しております。

昨日(6日)のユーロドル相場は上値の重い展開。@新型コロナウイルスを巡る米中対立懸念の高まり(リスク回避のドル買い)や、Aドイツ連邦憲法裁判所による「ECBの量的緩和政策が一部違憲」との判断に端を発したECBの金融政策先行き不透明感、B欧州委員会による最新の経済予測にてユーロ圏のGDPや失業率見通しが軒並み下方修正されたこと、C欧州株の冴えない動きが重石となり、海外時間には一時1.0782(4/24以来の安値)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.0792近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、4/30に記録した高値107.51をトップに反落に転じると、昨日は一時105.99まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や一目均衡表雲下限、直近安値(4/30安値106.40や、4/29安値106.36)を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転も成立するなど、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は3/17安値105.86を試す動きとなりそうです。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(米ADP雇用統計が不冴だったことで週末に発表される米雇用統計への悲観的な見方が再燃)、B米中対立激化懸念(貿易協定破棄リスク)、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの2次感染リスク(外出規制緩和に伴う2次感染リスク)、E原油先物価格の不安定化(5/19の納会に向けて再び下落するリスク)、F日本経済における先行き不透明感(緊急事態宣言延長に伴う実体経済への更なる下押し圧力)など、ドル売り・円買いを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。米FRBによる量的緩和継続(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済のリセッション懸念(デフレ懸念台頭→円の実質金利低下→円高)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立激化懸念(株安・円買い要因)が重石になると見られ、当方では引き続き、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(※本邦大型連休明けとなることから、日本時間9時55分の公表相場決定など本邦勢の需給動向に注意が必要です。また、中国の財新サービス業PMIや貿易収支、米国の新規失業保険申請件数などにも注目が集まります。昨日同様、クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路に要注意)。

本日の予想レンジ:105.70ー106.50

ドル円、不冴なADP雇用統計を背景に一時106円割れ。クロス円の下落も重石に

ドル円日足

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