ドル円、109円台を維持できず反落。本日はOPECプラス緊急会合に注目
海外時間の為替概況
7日(火)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@米国や欧州にて新型コロナウィルスの感染者増加ペースが鈍化したこと(楽観的な見方の台頭)や、Aボリス・ジョンソン英首相が集中治療室(ICU)入りしつつも「容態は安定」と報じられたこと、B本邦にて緊急事態宣言が発動されたことに伴う悪材料出尽くし感、Cアジア株や欧米株の上昇を受けたグローバルなリスク選好ムード(クロス円上昇→ドル円連れ高)が支援材料となり、欧州時間にかけて、一時109.14まで上昇しました。しかし、前日高値109.38を前に伸び悩むと、DOPECプラス緊急会合(米国など他の産油国の協力が得られない限り大幅減産には合意しないとの一部報道)を前にした警戒感が重石となり、米国時間にかけて、108.72まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、108.81近辺で推移しております。
昨日のユーロドル相場は急反発。@欧州圏における新型コロナウィルスの感染者増加ペースが鈍化したことや、Aボリス・ジョンソン英首相が集中治療室(ICU)入りしつつも「容態は安定」と報じられたこと、B欧米株の上昇を背景にリスク選好ムードが広がったこと(ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)、Cドイツ・2月鉱工業生産(結果▲1.2%、予想▲3.0%)が市場予想を上回ったこと等が支援材料となり、米国時間には一時1.0926まで上昇しました(前日安値1.0768から158pointの急伸)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.0896近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、4/1に記録した約2週間ぶり安値106.91をボトムに反発に転じると、4/6には一時109.38まで上昇しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや、一目均衡表基準線、200日移動平均線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、やや底堅さを印象付けるチャート形状となりつつあります(但し、昨日は一目均衡表転換線に続伸を阻まれる形で反落するなど上値の重さも目立つ展開に)。
一方、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、無制限量的緩和を決定した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(新規失業保険申請件数や、米雇用統計の大幅な悪化)、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大長期化リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化(本日のOPECプラスで減産合意が実現するか否かに注目)、H本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動)など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的に底堅さを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻む展開が想定されます(上値余地は限定的。事実昨日も109円台で伸び悩む展開に)。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の大幅悪化(ドル売り要因)、本邦における先行き不透明感(円高要因)、リスク回避ムードの再燃リスク(クロス円売り→ドル円連れ安の流れ)が重石になると見られ、新型コロナウィルスを巡るヘッドラインや、原油価格の動向(本日のOPECプラスで減産合意が実現するか否か)、本邦における緊急事態宣言を受けた日本経済への悪影響、世界的な株価の動きを睨みながらも、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(108円台前半に位置するボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線を試す展開を想定)。
本日の予想レンジ:108.20ー109.40
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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