ドル円、リスク回避ムード再燃。本邦年度末終了後の下落再開に要注意(3/31朝)

30日(月)の外国為替市場でドル円は下落後に反発。

ドル円、リスク回避ムード再燃。本邦年度末終了後の下落再開に要注意(3/31朝)

ドル円、リスク回避ムード再燃。本邦年度末終了後の下落再開に要注意

海外時間の為替概況

30日(月)の外国為替市場でドル円は下落後に反発。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムードや、A本邦における東京ロックダウン懸念の高まり(本邦における先行き不透明感の高まり)、B原油先物価格の下落が重石となる中、ドル円は一時107.14まで下げ幅を広げました。しかし、心理的節目107円をバックに下げ渋ると、その後は、C欧米株の反発や、D米長期金利の上昇、E小池百合子都知事による緊急記者会見に特段サプライズが見られなかったことに伴う安堵感、Fトランプ米大統領とプーチン露大統領が電話会談を行うとの一部報道(※両者はエネルギー市場の安定について合意)が支援材料となり、米国時間には、一時108.29まで反発しました。もっとも、200日移動平均線108.34近辺で伸び悩むと、引けにかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、107.89近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は大きく下落。@欧州圏(特にスペイン)における新型コロナウィルスの感染拡大を受けたリスク回避ムードの高まり(対ユーロでの円買い・ドル買い)や、A月末を控えたユーロ売りフロー、B米長期金利の上昇が重石となる中、米国時間には一時1.1011まで下げ幅を広げました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、1.1041近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、3/9には、一時101.19(約3年4ヶ月ぶり安値)まで急落しました。しかし、資産現金化需要に伴うドル高や、米大型経済対策を好感したリスク選好ムードが強まると、3/24には一時111.72まで反発する場面も見られました(僅か1ヶ月で10円下がって・10円戻す壮大な「往って来い」相場)。もっとも、足元では再び107円台へ突入するなど(一目均衡表雲下限や同転換線、200日移動平均線やボリンジャーミッドバンドの下抜けを実現)、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、無制限量的緩和を決定した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(昨日発表された米3月ダラス連銀製造業活動指数は過去最低となる▲70に急低下)、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大長期化リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化(米露会談で小反発するも戻りは鈍い)、H東京ロックダウン懸念の高まりなど、ドル売り・円買いを想起させ得る懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「続落リスク」が警戒されます。資産現金化需要の後退(ドル独歩高の後退)や、米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)、米経済指標の大幅悪化(ドル売り要因)、本邦における先行き不透明感の高まり(円高要因)が重石になると見られ、本日は、新型コロナウィルスを巡るヘッドラインや、原油価格の動向、米中の主要経済指標(中国の3月製造業PMI、米国の3月CB消費者信頼感指数など)の結果、東京ロックダウンを巡る続報を睨みながらも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は年度末・四半期末である為、日本時間9時55分の本邦公表相場や、日本時間24時のロンドンフィキシング等に向けたトリッキーなフローに注意が必要です(本邦年度末終了後のドル円下落を想定)。

本日の予想レンジ:106.75ー108.75

ドル円、リスク回避ムード再燃。本邦年度末終了後の下落再開に要注意

ドル円日足

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