ドル円、リスク回避ムード再燃。本邦年度末終了後の下落再開に要注意
海外時間の為替概況
30日(月)の外国為替市場でドル円は下落後に反発。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムードや、A本邦における東京ロックダウン懸念の高まり(本邦における先行き不透明感の高まり)、B原油先物価格の下落が重石となる中、ドル円は一時107.14まで下げ幅を広げました。しかし、心理的節目107円をバックに下げ渋ると、その後は、C欧米株の反発や、D米長期金利の上昇、E小池百合子都知事による緊急記者会見に特段サプライズが見られなかったことに伴う安堵感、Fトランプ米大統領とプーチン露大統領が電話会談を行うとの一部報道(※両者はエネルギー市場の安定について合意)が支援材料となり、米国時間には、一時108.29まで反発しました。もっとも、200日移動平均線108.34近辺で伸び悩むと、引けにかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、107.89近辺で推移しております。
昨日のユーロドル相場は大きく下落。@欧州圏(特にスペイン)における新型コロナウィルスの感染拡大を受けたリスク回避ムードの高まり(対ユーロでの円買い・ドル買い)や、A月末を控えたユーロ売りフロー、B米長期金利の上昇が重石となる中、米国時間には一時1.1011まで下げ幅を広げました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時50分現在)では、1.1041近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、3/9には、一時101.19(約3年4ヶ月ぶり安値)まで急落しました。しかし、資産現金化需要に伴うドル高や、米大型経済対策を好感したリスク選好ムードが強まると、3/24には一時111.72まで反発する場面も見られました(僅か1ヶ月で10円下がって・10円戻す壮大な「往って来い」相場)。もっとも、足元では再び107円台へ突入するなど(一目均衡表雲下限や同転換線、200日移動平均線やボリンジャーミッドバンドの下抜けを実現)、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、無制限量的緩和を決定した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(昨日発表された米3月ダラス連銀製造業活動指数は過去最低となる▲70に急低下)、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大長期化リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化(米露会談で小反発するも戻りは鈍い)、H東京ロックダウン懸念の高まりなど、ドル売り・円買いを想起させ得る懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「続落リスク」が警戒されます。資産現金化需要の後退(ドル独歩高の後退)や、米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)、米経済指標の大幅悪化(ドル売り要因)、本邦における先行き不透明感の高まり(円高要因)が重石になると見られ、本日は、新型コロナウィルスを巡るヘッドラインや、原油価格の動向、米中の主要経済指標(中国の3月製造業PMI、米国の3月CB消費者信頼感指数など)の結果、東京ロックダウンを巡る続報を睨みながらも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は年度末・四半期末である為、日本時間9時55分の本邦公表相場や、日本時間24時のロンドンフィキシング等に向けたトリッキーなフローに注意が必要です(本邦年度末終了後のドル円下落を想定)。
本日の予想レンジ:106.75ー108.75
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.04.27
来週の為替相場見通し:『ドル円は157円台後半へと急上昇。来週は米FOMCがメインイベント』(4/27朝)
ドル円(USDJPY)は昨年12/28に記録した安値140.25をボトムに切り返すと、今週末にかけて、約34年ぶり高値となる157.79(1990年5月以来の高値圏)まで急伸しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.04.26
東京市場のドルは156円台乗せ、海外時間では157円台乗せを試す展開に(24/4/26)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀会合の結果が、想定線で「タカ派」な内容が確認できなかったことで円安が加速し、156円台に突入した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.04.26
ドル円 日銀会合経て円安加速、介入催促相場の様相(4/26夕)
東京市場はドルが続伸し156円台。しかし、市場で関心を集めている円買い介入は依然として観測されていない。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.03.31
ドル円見通し 107円割れ回避でやや戻し気味、先行きは不透明なまま(20/3/31)
再び円高を凌駕するようなドルの全面高とならない限りは3月25日高値で戻りを一巡させて下落再開に入った流れを継続しやすいのではないかと思われる。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2020.03.30
乱高下が続く公算、米経済指標の内容に注意(3/30夕)
週明け30日の東京市場は、ドルが小高い。一時下値を試す展開となったが、失敗に終わると結果は「行って来い」どころか逆行高に。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。