連日の国際TV会議注視、レンジ内で乱高下か
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、ドルが冴えない。日米株価はともに大幅高で推移するなか、為替市場では逆にドルが全般的に売り進められる展開をたどっていた。
ドル/円は寄り付いた111.15-20円を日中高値に、じり安推移。一時は110円割れをうかがう110.05-10円まで1円を超える下落となった。日経平均株価が終値ベースで歴代9位となる大幅高となったうえ、時間外で取引されているNYダウ先物も堅調推移となったことが、逆に利益確定売りなどを促進させたようだ。
しかし、110円は割れずに下げ止まると、その後は110円前半での揉み合いに。16時時点では110.30-35円で推移、欧米時間を迎えている。
材料的に注視されていたものは、「東京五輪開催をめぐる動き」と「新型コロナウイルスへの財政対応など」について。
前者は、開催の有無について、トランプ氏や中国外務省が「日本あるいは安倍首相の決定に従う」意向を表明するなか、WHOは「中止や延期の決定、日本政府やIOCが行うこと」と責任回避的な見解を示していた。そうしたなか米紙USAトゥデーは、「パウンドIOC委員が東京五輪は延期されることになると述べた」と報じ物議を醸していたようだ。なお、本24日にも安倍首相とIOCのバッハ会長が電話会談を実施する方向だという。
対して後者は、イタリアにおいて「新型コロナの死亡者が初の6000人超え」となったことが明らかになるなど、欧州を中心とした感染拡大が続くなか、FRBが再び予定になかった行動に出て、「無制限量的緩和」を発表している。ただ、その一方で期待されていた米景気対策法案は、野党民主党の反対でまとまらず。民主党のシューマー上院院内総務が、協議は続けられる予定であり、24時間以内に対策がまとまる可能性もあると説明していることから、どういった結論になるのか成り行きを見極めたい。
<< 欧米市場の見通し >>
米株を中心に株式市場が引き続き乱高下をたどる環境下、少し興味深いのは、為替市場との連関性として、かつて見られた「株高=円安」ではなく、「株高=ドル安」といった構図になっていること。その理由については様々な思惑が飛び交っており、たとえば「株高により金融資産の現金化が鈍るため」といった観測も取り沙汰されていた。ただ、そんな株式市場をにらみつつ、ドル/円は荒っぽい変動ながらも基本的には110円半ばプラスマイナス1円程度のレンジに収斂する、といった見方も少なくない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。欧米を中心とした感染拡大状況ならびに、金融政策を含めた各国のさらなる財政対応などに注意を払いたい。また昨日のG20財務相に続き、本日はG7財務相がテレビ会談を行う予定とされるうえ、先で指摘した昨日まとまらなかった米景気対策法案の行方も注目だ。
テクニカル面からすると、ここ数日は一定のサイクルを持ち上下動を繰り返している。また、下値が少しずつ切り上がると同時に上値も少しずつ切り上がってきた。足もとでいえば、ザックリ109.60-111.60円のレンジをめぐる攻防が注視されている。
なお、上記のサイクルでは、昨日NY高値を起点とした下げ波動はヒョッとして終了した可能性も取り沙汰され、その場合、しばらくはドル高傾向が続くことになりそうだ。
今後、3月の総合PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数といった幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。
ちなみに、昨日発表された3月のシカゴ連銀全米活動指数は予想を上回る結果で、不確定要素として懸念されていた「外出禁止令」など新型コロナウイルスの余波はあまり感じられなかった。本日の指標も足もと3月分のデータだけに、果たしてどの程度の数値となるのだろうか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.80-111.80円。ドル高・円安方向は、110円台にそれほど強い抵抗は観測されておらず、意識されるのはまず111円台前半か。そして、上抜ければ昨日高値の111.59円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、東京安値にあたる110.05-10円が最初のサポート。仮に割り込んでも底堅そうだが、20日安値の109.34円を下回ると、なかなかの深押しが入る可能性も。
ドル円60分足
オーダー/ポジション状況
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