ドル円、トランプ米大統領の給与勢減税を含む経済対策発表を好感して急反発(3/11朝)

10日(火)の外国為替市場でドル円は急反発。

ドル円、トランプ米大統領の給与勢減税を含む経済対策発表を好感して急反発(3/11朝)

ドル円、トランプ米大統領の給与勢減税を含む経済対策発表を好感して急反発

海外時間の為替概況

10日(火)の外国為替市場でドル円は急反発。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムードや、A上記@を受けた世界的な株価の急落及び、B米長期金利の急低下、C減産合意決裂を受けた原油価格の急落、D上記@からCを受けた投資家心理の急速な悪化が重石となり、前日(9日)米国時間には、2016年11/9以来、約3年4ヶ月ぶり安値となる101.19まで急落しました。しかし、その後は、E日銀によるレートチェックの噂(円売り介入警戒感)や、Fトランプ米大統領による給与勢減税を含めた経済対策を巡る思惑、G上記Fを受けたリスク回避ムードの後退(株価の反発及び米長期金利の上昇)、H俄かショート勢によるロスカット(ストップBUY)が支援材料となり、米国時間午後にかけては、一時105.92まで急伸する展開となりました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、105.55近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は急反落。@トランプ米大統領による給与勢減税を含めた経済対策を巡る発言や、A上記@を受けたリスク回避ムードの後退(米長期金利上昇に伴うドル高)、B3/12に予定されているECB理事会での追加緩和観測(コンテ・イタリア首相は新型コロナウィルス対策でECBに可能な手段の総動員を要請)等が重石となり、米国時間には一時1.1275まで急落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、1.1295近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、先週木曜日(2/20)に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、昨日米国時間には、約3年4ヶ月ぶり安値となる101.19まで急落しました(12営業日で11円02銭の暴落劇)。この間、一目均衡表雲転換線や基準線、一目均衡表雲上限及び雲下限、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転及び、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークも発生するなど、テクニカル的に見て「地合いの弱さ」を強く印象付けるチャート形状となっております(※トランプ米大統領による経済対策発表を受けて反発に転じるも一目均衡表転換線が走る105.84付近では戻り売り意欲も根強く、伸び悩む動きが確認されます)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(緊急利下げに踏み切る米国と、追加緩和手段に乏しい日本。市場では来週のFOMCでFRBが更に50bp以上の利下げに踏み切ることを織り込む催促相場に)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の急落など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。本日発表される一連の米経済指標(2月消費者物価指数など)が市場予想を下回る不冴な結果となった場合や、新型コロナウィルスに絡むネガティブな報道がなされた場合などには、「米景気減速懸念→米利下げ観測→米長期金利低下→ドル売り」の経路と、「世界経済の低迷→グローバルな株安→リスク回避の円買い」の双方の経路で、ドル円が再び押し下げられるリスクが警戒されます。トランプ米大統領による経済対策を好感した俄かリスクオン相場は長続きしないと考えられることから、本日は一巡後の反落リスクにより警戒が必要でしょう。米株及び米長期金利の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、原油価格のプライスアクション、トランプ米大統領の発言、米経済指標の結果を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:103.00ー107.00

ドル円、トランプ米大統領の給与勢減税を含む経済対策発表を好感して急反発

ドル円日足

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