米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策結果と議長記者会見要旨
1月28日・29日の両日にFOMCが開催されました。金融政策についてはエコノミスト予想通りの据え置きになりました。
(1)FOMC討議内容の記者発表
委員会は最大雇用を促進し物価安定を目指している。委員会はFFレートの目標レンジを1.50%〜1.75%に維持することを決定した。現状の金融政策スタンスが経済活動、強い雇用市場、委員会目標の2%インフレに向け、持続的拡大を支えるに適切であると判断した。委員会は経済見通しに対して、世界経済の進展、インフレ圧力、FFレートの適切な目標レンジを査定することを含め、入手する情報を精査し続けることになる。
将来のFFレート目標レンジを調節するタイミングや大きさを決定するに際しては、現状あるいは将来の経済状況を査定することになる。この査定は労働市場の状況測定、インフレ圧力やインフレ期待値の指標、そして金融市場や国際情勢の進展具合含めて、幅広い情報を考慮することになる。
金融政策の行動に関する賛成票:パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、パトリック・ハーカー、ロバート・カプラン、ニール・カシュカリ、ロレッタ・メスター、ランダル・クォールズ、(注:全員一致です)
(2)FRB議長の記者会見要旨
以下一部を抜粋して箇条書きにさせていただきます。
@経済拡大は11年目となり、史上最も長い成長となっている。家計支出は昨年末に向かい緩やかな伸びに留まったが、健全な雇用市場、収入の増加、消費者信頼感の上昇があった。
A対照的に、企業投資や輸出は弱く、生産高は減少した。しかしながら、貿易を取り巻く不確実性は最近減少した。
Bインフレは目標とする2%以下で推移している。昨年11月までの1年間、PCEインフレは1.5%で、コアインフレは1.6%だった。だが、我々はインフレが2%に近づいていくと予想している。
Cとりわけ、我々は現在の金融スタンスが持続的経済成長、強い雇用市場、インフレを2%目標に近づけるには適切であると思っている。勿論、その進展が我々の見通しに対して実質的な再評価を引きおこす事態にでもなれば、FFレートの目標レンジを適切に評価していく。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
(3)CME Fedwatchの変化
今回のFOMC前後で3月以降の予想が大きく変わってきました。利上げ予想がなくなり、3月の据え置き予想が拡大する一方、4月利下げ予想が5%ほど増加し、20%になりました。
昨日のFOMCで大きく動いたのは米10年債金利です。12月31日には1.92%だった金利が昨日は1.59%まで下がっています。10年債と為替の推移で大きく乖離していましたが、結局10年債は一段と下がり、為替が付いていくのかがこれからのポイントになります。
ここ最近の債券買いはコロナウィルスの世界拡散⇒世界経済鈍化懸念の材料が主ですので、金利低下でもNY株価はあまり反応しませんでした。金利低下と株高が相関を持たないと流れが変わる可能性もでてきますので、今後1〜2週間の金利・株・為替の動きは重要になりそうです。
(2020年1月30日13:00、1ドル=108円90銭、1ユーロ=1.1015ドル)
オーダー/ポジション状況
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