ドル円見通し、11月15日未明と21日午前安値をダブル底に戻す、米中協議進展期待と株高も支援(19/11/26)

11月18日夜高値109.07円から19日夜高値109.81円、20日深夜高値108.73円と切り下がってきた高値ラインを突破して26日朝には109円をつけるところまで続伸している。

ドル円見通し、11月15日未明と21日午前安値をダブル底に戻す、米中協議進展期待と株高も支援(19/11/26)

【概況】

11月1日安値107.88円から11月7日(8日未明)高値109.48円まで上昇した後は米中協議進展への先行き不安が再燃して11月15日未明安値108.24円まで下落したが、クドロー米NEC委員長の早期合意期待発言から11月18日夜には109.07円までいったん戻したものの先行き不透明感が拭えないとして再び失速となり21日午前安値で108.26円まで下げた。ここで15日未明安値を割り込めば戻り高値切り下がりからの安値更新となって下落基調が継続してゆくところだったが、ぎりぎりのところで安値更新を回避して先週末は踏みとどまったものの、その時点では戻りに勢いは見られなかった。

週明けはリスク選好感が再び増して株高とともにドル円も109円台後半へ上昇、11月18日夜高値109.07円から19日夜高値109.81円、20日深夜高値108.73円と切り下がってきた高値ラインを突破して26日朝には109円をつけるところまで続伸している。

【ダウ史上最高値更新、株高からの円安】

週末から週明け25日にかけては米中協議進展期待を助長する報道が相次いだ。
ロイター通信はオブライエン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が11月23日に米中両国が年内に第1段階の合意に至る可能性は依然としてあると述べたと報じた。11月13日のWSJ紙や14日の英フィナンシャルタイムズ紙が交渉が暗礁に乗り上げたとし、年内にまとまらない可能性も高まっていたが、まだ合意実現への努力が続いているようだ。

中国政府は11月24日に知的財産権の侵害に対する罰則を強化する方針を示した。これは米国側の構造改革要求へ対応する動きと市場は受け止めている。習近平国家主席は11月22日に米中協議第1段階については相互尊重と平等を原則に合意に努めたいと言及して前向きな姿勢を示したが、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報も11月25日に中国政府に近い専門家の話として「第1段階の合意署名は非常に近い」と報道しており、中国側の前向き姿勢も感じられる。

米中協議進展期待でNYダウは前週末比190.85ドル高と上昇して5営業日ぶりに史上最高値 を更新した。またナスダック総合指数も112.60ポイント高と上昇して4日ぶりに最高値を更新した。ただ米債券市場は小動きで、10年債利回りは前週末比0.01%低下の1.76%で終了しており積極的な動きは見られなかった。

米中問題については楽観と悲観の報道が交錯する状況が続いており、12月15日の米国による対中国制裁関税第4弾発動予定が迫る中で米中首脳会談の日程が示され、トランプ大統領が署名すると述べない限りは土壇場での破談の可能性も残るのだが、株式市場は特に楽観的な受け止めであり、ドル円も先週までのやや悲観的な動きから楽観優勢へと市場心理も変わり始めているかもしれない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

ドル円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月15日未明と21日午前の両安値をダブルボトムとして強気サイクル入りしている。11月18日夜高値を基準とすれば高値形成期は21日夜から25日夜にかけての間と想定されるところだが既にこの期間を超えて延長入りしている。相場の流れが変わる時には底打ちからの上昇が長引く傾向もあるので、11月8日未明高値からの下落がダブルボトムで落ち着いて揺れ返しの上昇期に入っている可能性もあるとみて、26日から27日にかけては上昇余地ありとみる。ただし108.80円割れからは弱気転換注意とし、108.65円割れからは弱気サイクル入りと仮定して次のボトム形成期となる26日午前から28日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では週明けの反騰で遅行スパンが好転して先行スパンも突破しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からは下げ再開注意とし、先行スパン転落からは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は25日早朝から指数のピークは切り上がり気味に推移しているのでまだ26日朝時点では弱気逆行はみられないので、50ポイント以上での推移中は高値試し優先とする。ただし相場が高値を切り上げても指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は下げ再開警戒とし、50ポイント割れの状況が続き始める場合は下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、108.80円を下値支持線、11月18日夜高値109.07円を上値抵抗線とみておく。
(2)108.80円以上での推移かわずかに割り込んでも切り返す内は上昇余地ありとし、18日夜高値超えからは11月8日未明高値109.48円試しへ向かうとみる。ただし米中協議関連等で力強い押し上げとならないうちは109.30円手前までで行き詰まりやすいとみる。
(3)108.80円割れから続落の場合は弱気転換注意とし、108.65円割れからは弱気サイクル入りと仮定して108.50円前後試し、さらに売り材料を伴って下落が加速する場合は21日午前安値108.26円に迫る可能性もあるとみる。108.75円以上での推移なら27日も高値試しを続けやすく、108.65円以下での推移なら27日も安値試しへ進みやすいとみる。

【当面の主な予定】

11/26(火)
16:00 (独) 12月 GFK消費者信頼感 (11月 9.6、予想 9.6)
17:00 (欧) クーレECB理事、講演
17:15 (豪) ロウ豪中銀総裁、講演
23:00 (米) 9月 連邦住宅金融局 住宅価格指数 前月比 (8月 0.2%、予想 0.3%)
23:00 (米) 9月 ケース・シラー住宅価格指数 (8月 218.14)
23:00 (米) 9月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (8月 2.0%、予想 2.1%)
24:00 (米) 11月 リッチモンド連銀製造業景況指数 (10月 8、予想 5)
24:00 (米) 10月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (9月 70.1万件、予想 70.9万件)
24:00 (米) 10月 新築住宅販売件数 前月比 (9月 -0.7%、予想 1.1%)
24:00 (米) 11月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (10月 125.9、予想 127.0)

11/27(水)
06:45 (NZ) 10月 貿易収支 (9月 -12.42億NZドル、予想 -10.00億NZドル)
22:30 (米) 7-9月期GDP改定値 前期比年率 (速報 1.9%、予想 1.9%)
22:30 (米) 7-9月期GDP個人消費改定値 前期比 (速報 2.9%、予想 2.8%)
22:30 (米) 7-9月期コアPCE改定値 前期比 (速報 2.2%)
22:30 (米) 10月 耐久財受注 前月比 (9月 -1.1%、予想 -0.7%)
22:30 (米) 10月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (9月 -0.3%、予想 0.2%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 22.7万件、予想 22.0万件)
22:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 169.5万人、予想 169.0万人)

23:45 (米) 11月 シカゴ購買部景況指数 (10月 43.2、予想 47.0)
24:00 (米) 10月 住宅販売保留指数 前月比 (9月 1.5%、予想 -0.3%)
24:00 (米) 10月 住宅販売保留指数 前年同月比 (9月 6.3%、予想 6.2%)
24:00 (米) 10月 個人所得 前月比 (9月 0.3%、予想 0.3%)
24:00 (米) 10月 個人消費 前月比 (9月 0.2%、予想 0.3%)
24:00 (米) 10月 PCEデフレーター 前年同月比 (9月 1.3%、予想 1.4%)
24:00 (米) 10月 PCEコア・デフレーター 前月比 (9月 0.0%、予想 0.1%)
24:00 (米) 10月 PCEコア・デフレーター 前年同月比 (9月 1.7%、予想 1.7%)
28:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る