ドル円、米中報道に振らされつつも108円台半ばで方向感見出せず
海外時間の為替概況
20日(水)の外国為替市場でドル円は一進一退。@米議会による香港人権法案可決や、A米中リスク再燃を背景に、欧州時間朝方にかけて、一時108.35まで下落しました。しかし、直近安値108.25を前に下げ渋ると、その後は、B欧米株が下げ幅を縮めたことや、Cトランプ米大統領による「米国は中国との協議を継続」との発言が支援材料となり、米国時間午後にかけては、高値108.75まで反発しました。
もっとも、前日高値108.83を前に伸び悩むと、その後は米中を巡るヘッドラインに振らされる展開に。D一部通信社より「米中の第一段階通商合意は来年にずれ込む可能性がある」と報じられると下落し、Eホワイトハウスより「米中交渉は継続中であり、第一段階の合意文書に進展が見られる」と報じられると持ち直す動きとなりました。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では108.59付近で方向感なく推移しております。尚、FOMC議事要旨にサプライズは見られず、ドル円の反応は限定的となっております。
一方、ユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@ドイツ・10月生産者物価指数(結果▲0.2%、予想0.0%)の伸び悩みや、AレーンECB理事による「ECBの金融政策は限界点に達していない」との発言を背景に、欧州時間にかけて、一時1.1053まで下落しました。しかし、B一部通信社より「米中の第一段階通商合意は来年にずれ込む可能性がある」と報じられると、対主要通貨でドル売りが加速し、米国時間にかけては、一時1.1082まで反発しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では1.1068付近で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、108円台半ばを中心に方向感を見出しづらい時間帯が続いております(昨日は108.35ー108.75レンジ)。トップサイドは、200日移動平均線108.98や一目均衡表転換線108.86が続伸を阻み、ダウンサイドは、11/14安値108.25や、心理的節目108.00がサポートとして意識されている状況です。テクニカル的に見て、市場参加者の「気迷い」の強さが確認されます(上昇から中立へのトレンド転換なのか、上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目なのか判断がつかない状況)。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策格差(利下げに踏み切ったFOMCと、追加緩和の見送りを決めた日銀)や、Aトランプ米大統領の弾劾リスク(米下院はロシア疑惑捜査への虚偽報告を巡りトランプ米大統領の調査を再開)、B米経済の先行き不透明感、C香港情勢の悪化、D米中協議を巡る先行き不安など、ドル安・円高に繋がり易い材料が増えつつあります。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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