ドル円 ドルにジワリと下値リスク、FOMC議事録注視(11/20夕)

20日の東京市場は、揉み合い。108円半ばを挟み、25ポイント程度のレンジ取引でしっかりとした方向性はうかがえなかった。

ドル円 ドルにジワリと下値リスク、FOMC議事録注視(11/20夕)

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20日の東京市場は、揉み合い。108円半ばを挟み、25ポイント程度のレンジ取引でしっかりとした方向性はうかがえなかった。

ドル/円は108.50-55円で寄り付いたものの、手掛かり材料難ということもあり、積極的な動意に欠ける展開。108.35-60円といった狭いレンジ内での一進一退に終始している。ただ、日経平均株価だけでなく時間外で取引されているNYダウ先物も弱含みに推移しており、そうした意味ではリスク回避の動きとなっても不思議はなかったが、市場の反応は鈍かった。16時時点では108.50-55円で推移し、欧米市場を迎えている。

材料的に注視されていたものは、「米中情勢」について。
まず「貿易面」についてはトランプ米大統領が、「中国との通商問題はどうなるか様子を見たい」と述べたうえで、「合意できなければ、対中関税を一段と引き上げる」と指摘したとされ思惑を呼んでいた。また、香港情勢と絡めて、米副大統領が「香港のデモに暴力が行使されれば米国が対中貿易協定に署名するのは難しい」との見解を示していたようで、こちらも一部で話題に。そうしたなかダウジョーンズは複数の元政権担当者らの話として、「米中貿易協議は行き詰まる危険性がある」と指摘、物議を醸した。

それに対して「香港情勢」でも、両国による激しいやり取りが観測されている。中国当局が、デモ参加者のマスク着用を禁じる「覆面禁止規則」を香港基本法違反とした香港高等法院(高裁に相当)の判決に猛反発したことが明らかになるなか、「米上院が香港人権法案を可決」したが、こちらについて中国は即座に「報復する」などと強い反発の姿勢をみせていた。まだまだ軋轢は続く可能性がある。

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ドル/円はそれなりに上下動こそあるものの、値幅そのものは小さく、かつレンジ内での変動にとどまっている。そうした意味で方向性はいまだ乏しいものの、今週に入って以降、上値が徐々に切り下がってきた反面、下値を拡大させており、敢えて言えば下方向のリスクを感じさせる足形といえよう。仮にドルが続落した場合は前回安値の108.24円、そして今月安値の107.89円をめぐる攻防が注視されそうだ。

材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる要因も少なくない。昨日党首討論が実施された「英国情勢」や、年内米朝首脳会談開催の可能性も取り沙汰されている「北朝鮮情勢」なども要注意だが、もっとも注意すべきは香港や台湾情勢を含めた「米中情勢」になりそう。トランプ氏をはじめとする要人発言などにより、為替だけでなく金融市場全般が再び思惑の交錯した展開を予想する声も少なくない。

テクニカルに見た場合、ここ数日108円台を中心としたレンジ取引で、大きな流れでいえば方向性に欠ける。ただ、米中通商協議への楽観論後退などもあり、ドルの下値リスクがジワリと強まりつつある感も否めない。本日東京安値の108.35円レベル、前回安値108.24円など下方向のサポートは多いが、それらを割り込んでドル安が進行するのか否か、攻防に要注意だ。

本日はこれといった米経済指標の発表が見込まれないものの、10月末開催分の米FOMCの議事録要旨が公開される予定となっている。先日はトランプ氏とパウエルFRB議長の会談が実施され、その席で「金利が高すぎる」と改めてプレッシャーを受けた格好だが、果たして連銀理事の大意は「利下げ継続」もしくは「打ち止め」のどちらなのか。それによっては、一時的にせよ相場が荒れる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.10-109.00円。ドル高・円安方向は、昨日高値の108.84円が最初の抵抗。超えれば、移動平均の200日線も位置する109.07円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である108.35円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば108.24円の直近安値、そして108円レベルなどが意識されそうだ。

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