<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、レンジ取引。引き続き108円半ばから後半での一進一退で、明確な方向性はうかがえない。
ドル円は108.55円前後で寄り付いたものの、本日も積極的な動意に欠ける値動き。108.55-70円といった極めて狭いレンジ内での取引をたどっている。日経平均株価は5日続伸を記録したが、為替市場の反応は鈍く、リスクオンの動きは特にみられず。また、別途、複数の疑惑報道が観測されていた菅原経産相が辞任を発表したものの、こちらの影響も軽微。結局、16時時点では108.65-70円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、ドル以外の通貨ペアも総じて小動きをたどるなか、トルコリラ円が終盤にかけて乱高下。対円では一時18.75円レベルを割り込み、昨日安値を下回る局面も観測されている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中貿易問題」について。
前者は、ロイターが匿名政府高官の発言として「我々は合意ありで離脱する。ジョンソン首相の合意でだ」と報じるなか、ジョンソン氏は混迷打開に向け、12月12日の総選挙実施を提案。しかし、コービン野党・労働党党首がスグに反応し、総選挙の提案を拒否する構えを示すなど、依然として混乱が収まる様子はない。なお、本25日はEU加盟国が再度大使級会合を開き、英のEU離脱に関し協議する予定となっている。果たして進展は如何に。
対して後者は、実施が延期されていたペンス米副大統領による「米中関係の将来」と題した講演がようやく実施され、貿易問題のほか香港、台湾情勢など包括的な圧力を加えていく姿勢が示され話題に。一例として、「米国はもはや、経済的関与だけでは中国共産党の権威主義的体制を自由で開かれた社会に転換できるとは期待していない」−−との発言が聞かれていた。そんなペンス発言に対し、中国外務省は反発。報道官が「中国に対して無責任なコメントだ。断固として反対する」などと発言していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル円の膠着は著しく、108.04-94円というレンジ取引は早くも2週間に達してきた。また今週だけに限れば、ここまでわずか50ポイントしか動いていない計算で、このまま終われば週間を通して40ポイント程度の変動にとどまった4月15-19日週に続く、今年2番目の小変動ということになる。いずれにしても、まずは今週の50ポイントレンジ(108.25-75円)、抜ければ108.04-94円をめぐる攻防が注視されそうだ。
材料的に見た場合、米国ファクターとして「貿易問題」、「金融政策」、「ウクライナ疑惑」など、それ以外でも「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「トルコ情勢」など注目要因は目白押し。それぞれ注意すべきところは多いものの、本日は前述したように「英国情勢」についてEU加盟国が再度大使級会合を開き離脱問題を協議する予定となっている。そのほか、「米中貿易問題」に関し「米中閣僚級が電話会議を実施する」見込みだ。この2つを目先の相場の変動要因として、とくに注視している向きが少なくない。
テクニカルに見た場合、今週は週間を通し、まだ50ポイントの変動(108.25-75円)しか観測されていない。まずは、その非常に狭いレンジをめぐる攻防が注目されるが、抜けても108.04-94円といういま少しワイドなレンジが存在しており、結局はレンジにとどまるとの見方が有力だ。とは言え、大きなレンジを上抜ければ8月高値109.32円が意識されそうな反面、下値を割り込めば複数のテクニカルポイントが位置する107円半ばがターゲットとなるだろう。
本日の米経済指標は、10月のミシガン大消費者信頼感指数確報値が発表される予定となっている。昨日発表された米経済指標は全般マチマチだったが、9月の耐久財受注や同新築住宅販売件数は予想を下回っており、本日も予断を許さない。来週に注目の米FOMCを控えていることから、指標の数字如何では波乱の展開もありそうだ。
そのほかでは、前述したように「英国情勢」、そして「米中貿易問題」で注目要因が見込まれており、それらには大いに注意したい。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、108.20-109.00円。ドル高・円安方向は、今週少なくとも2度上値をレジストされた108.70-75円が最初の抵抗。抜けた場合には先週高値の108.94円、109円レベルなどがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、今週安値である108.25円の攻防にまずは注視。割り込んだ場合には先週安値108.04円が意識されそうだ。
ドル円時間足
四角が一週間、オレンジ線が本日のレンジ
オーダー/ポジション状況
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