FRBが公表した4月開催分の議事録(2016年5月19日)

6月の利上げを100%織り込む状況ではないと判断します。

FRBが公表した4月開催分の議事録(2016年5月19日)

FRBが公表した4月開催分の議事録

4月26〜27日分のFOMC議事要旨
「大半のメンバーは経済が正当化されるならば、6月利上げの可能性が高いと判断」
との見解が示されたことで、米長期金利が上昇、ドル円も上昇、一時110.24まで上伸しました。

市場にサプライズを与えることを好まないイエレン議長は
金利先物市場で6月の利上げ確率が0%近くまで低下したため
市場の利上げ見通しを引きあげるよう努めたのだと考えられます。
イエレン議長は6月の利上げの選択肢をあくまでフリーハンドにしておきたいはずで
市場の6月利上げ確率を少なくとも50%に引き上げたかったのだと判断します。

FOMC議事録で、「大半の理事が『経済が正当化すれば』6月利上げの可能性高いと判断」とされ
ここまでハッキリと6月利上げに付いて言及があったことに、市場は驚きました。
これまでとは一転、6月米利上げはほぼ確実と見た方がよいと考える向きも浮上。
6月の利上げ確率が0%近くまで低下していた市場の織り込み度を、それなりに引き上げる作戦は成功したと見ます。

ただ、4−6月期の国内総生産(GDP)は7月にならないと発表されません。
なので6月14〜15日に開催されるFOMCに向けてまだ利上げは確定ではないと判断すべきです。
6月の利上げを100%織り込む状況ではないと判断します。
その確率は、今までのような0%ではなく、また100%でもなく
中立な50%とみるべきで、その判断は今後の指標次第なのです。
そしてそれ自体が、イエレン議長の望む状況でもあるはずです。

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