ドル円見通し ダブルトップライン突破での上昇一服、108円台後半は維持(10/17)

9月の米小売売上高は前月比マイナス0.3%で予想の0.3%及び8月の0.6%を大幅に下回った。

ドル円見通し ダブルトップライン突破での上昇一服、108円台後半は維持(10/17)

ドル円見通し ダブルトップライン突破での上昇一服、108円台後半は維持

【概況】

ドル円が10月1日高値から10月3日深夜までの間へ下落したのは米国の経済指標が相次いで悪化したことが背景だったが、10月4日の米雇用統計での失業率改善でこの流れは一巡、その後は米中協議進展期待を背景として上昇してきた。
10月10日と11日に行われた米中閣僚級協議において米中双方にとっての「重要な第1段階の合意」に達し、中国は米農産物の購入拡大や知的財産権保護、通貨安誘導の抑止等に対処し、米国は10月15日から実施予定だった対中制裁関税の第一弾から第三弾までの対象に対する税率引き上げを見送った。その後も事務レベル協議は続いており、協議を文書にまとめているところとされる。

ドル円は10月11日深夜に108.61円まで上昇したところでひとまず米中部分合意について材料消化となり、14日夜に108.03円まで下げたものの15日夜安値108.15円へ底上げし、15日深夜の上昇で11日深夜高値を突破、60分足レベルでの三角持合いを上放れした。
10月11日深夜高値から16日未明高値へ一段高したことにより、日足レベルでは9月18日高値108.47円と10月1日高値108.46円によるダブルトップライン突破での上昇感が強まったが、16日午前には米下院が香港関連4法案を可決したことに対する中国側の反発が報じられたために、先の合意が正式な署名に至らないリスクがあるとの懸念が生じたために上値が抑えられた。
さらに16日夜の米小売統計が予想外に悪かったことでもドル売りとなり108.56円の安値まで下げたが、その後は先高期待から買い戻されている。

【米中問題、その後】

トランプ米大統領は米中貿易協議の第1段階の合意について成果文書にまとめる作業が進んでいるとし、首脳会談を行うまで署名することはないと述べつつ、11月中旬のAPECで首脳会議に予定される米中首脳会談において正式に署名する意向を示した。米中協議はこの様に進展しているが、中国政府による国内企業優遇等の重要問題等や米国による安全保障上の中国企業への取引規制問題の解決は先送りされており、12月からの米国による対中国制裁関税第4弾についても撤回されていないため再びこじれる可能性もある。
香港関連法案を下院が可決した事での中国外務省の対抗姿勢も気になるところだ。米下院は香港が高度な自治を維持しているかどうか米政府に毎年検証することを求めるとして「香港人権・民主主義法案」など四つの法案と決議案を可決した。

【米小売弱く、連銀の追加利下げ感は拡大】

9月の米小売売上高は前月比マイナス0.3%で予想の0.3%及び8月の0.6%を大幅に下回った。自動車を除くコアでも前月比はマイナス0.1%となり市場予想及び8月の0.2%を下回った。米中問題が引き続き最大級のテーマだが、米経済指標悪化が続けば10月1日から10月3日にかけての円高ドル安局面のように、米連銀への追加利下げ圧力が強まって長期債利回りが低下して円高が再燃する可能性もあると注意したい。

米連銀関連では、17日未明に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)で米経済が9月から10月上旬にかけては僅かながら緩やかに拡大したとしたが、多くの企業から先行きについて低調な見方が示されたと指摘し、予防的な利下げ継続余地もある印象を与えた。
米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は16日の経済イベントにおける発言で、低インフレ時の過度な緩和はFRBによるインフレ目標の早期達成に資するが、十分な政策でなければインフレ期待が低水準に抑制される可能性があるとし、「ある程度の勢いを持ってインフレ率を上昇させるために十分積極的な緩和を実施する必要がある」と追加利下げを支持する姿勢を示した。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月11日深夜高値からの反落により15日朝時点では11日深夜高値を直近のサイクルトップとしたが、ボトム形成期は11日夜から15日夜にかけての間として既に14日夜安値でボトムをつけた可能性があるとした。15日深夜の上昇で11日深夜高値を上抜いたため、16日朝時点では14日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして16日夜から18日深夜にかけての間への上昇を想定した。また108.50円を割り込んでも切り返す内は一段高余地ありとし、108.50円割れから続落の場合は14日夜安値108.03円試しとするが、新たな弱気サイクル入りは14日夜安値割れからとした。
16日夜の下落でも108.50円台を維持しているのでまだ上昇余地ありとするが、サイクルトップは短縮される可能性もあるので米中動向等によっては108.50円割れから失速する懸念があるので、108.50円割れから続落の場合は14日夜安値試しへの下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10月16日未明へ一段高した後の上げ渋りにより遅行スパンは実線と交錯しているが、先行スパンを上抜いた状況は維持されている。108.50円割れから続落の場合は先行スパンからも転落してくるので14日夜安値試しへ向かいやすくなると注意するが、先行スパンからの転落回避中は上昇余地ありとし、16日未明高値超えからは遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は11日深夜高値と16日未明高値との間では指数のピークがほぼフラットな弱気逆行気配となっている。15日の指数安値40ポイントを割り込まない内は逆行完成とならないため60ポイント超えからは上昇再開とみるが、16日未明高値を超えたところで指数のピークが16日未明時点から切り下がる場合は複合的な弱気逆行となって下げやすくなると注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、108.50円を下値支持線、16日未明高値108.89円上値抵抗線とする。
(2)108.50円以上での推移中は109円試しを想定する。109円到達ではいったん売られやすいと注意するが、108.50円以上での推移なら18日の日中も高値を試しやすいとみる。また109円台に定着し始める場合は8月1日高値109.31円から109.50円前後へ目先の上値目処を引き上げる。
(3)108.50円前後は押し目買いされやすいとみるが、108.50円割れから続落の場合は弱気転換注意として14日夜安値108.03円試しとする。14日夜安値割れからは新たな弱気サイクル入りとなるため、17日夜から21日にかけての間への下落が想定され、10月3日からの上昇基調が崩れる可能性を警戒する。(了)<9:05>


【当面の主な予定】

10/17(木)
G20財務相・中央銀行総裁会議、ワシントン 10月18日まで
EU首脳会議、ブリュッセル 10月18日まで
09:30 (豪) 9月 新規雇用者数 (8月 3.47万人、予想 1.50万人)
09:30 (豪) 9月 失業率 (8月 5.3%、予想 5.3%)
17:30 (英) 9月 小売売上高・除自動車 前月比 (8月 -0.1%)
17:30 (英) 9月 小売売上高・除自動車 前年同月比 (8月 2.8%)
17:30 (英) 9月 小売売上高 前月比 (8月 -0.2%、予想 0.0%)
17:30 (英) 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 2.7%、予想 3.2%)
18:00 (欧) 8月 建設支出 前月比 (7月 -0.7%)
18:00 (欧) 8月 建設支出 前年同月比 (7月 1.1%)

21:30 (米) 9月 住宅着工件数・年率換算件数 (8月 136.4万件、予想 132.0万件)
21:30 (米) 9月 住宅着工件数 前月比 (8月 12.3%、予想 -3.2%)
21:30 (米) 9月 建設許可件数・年率換算件数 (8月 141.9万件、予想 135.0万件)
21:30 (米) 9月 建設許可件数 前月比 (8月 7.7%、予想 -5.3%)
21:30 (米) 10月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (9月 12.0、予想 8.0)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.0万件、予想 21.5万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 168.4万人、168.2万人)
22:15 (米) 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 0.6%、予想 -0.1%)
22:15 (米) 9月 設備稼働率 (8月 77.9%、予想 77.7%)
27:00 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、講演
27:00 (米) ボウマンFRB理事、講演
29:20 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、講演

10/18(金)
08:30 (日) 9月 全国消費者物価指数 前年同月比 (8月 0.3%、予想 0.2%)
08:30 (日) 9月 全国消費者物価指数・生鮮食料品除く 前年同月比 (8月 0.5%、予想 0.3%)
08:30 (日) 9月 全国消費者物価指数・生鮮食料品・エネルギー除く 前年同月比 (8月 0.6%、予想 0.5%)
09:00 (世) IMF・世銀の年次総会本会議
11:00 (中) 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 7.5%、予想 7.8%)
11:00 (中) 9月 鉱工業生産 前年同月比 (8月 4.4%、予想 5.0%)
11:00 (中) 7-9月期GDP 前期比 (前期 1.6%、予想 1.5%)
11:00 (中) 7-9月期GDP 前年同期比 (前期 6.2%、予想 6.1%)
17:00 (欧) 8月 経常収支・季調済 (7月 205億ユーロ)
17:00 (欧) 8月 経常収支・季調前 (7月 298億ユーロ)

22:00 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、講演
23:00 (米) 9月 景気先行指数 前月比 (8月 0.0%、予想 0.1%)
23:05 (米) ジョージ・カンザスシティ連銀総裁、講演
23:30 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ライブストリーミング出演
24:30 (米) クラリダFRB副議長、講演

10/19(土)
英国のEU離脱延期法が定めるEUとの新たな離脱案合意期限

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

2019年の為替相場を予想

FXが初めての方向け特集

円通貨ペア 為替チャート・相場予想

米ドル(USD)

米ドル(USD)相場の焦点
  • ・米景気の先行き見通しと金融政策 ◎
    ・米中貿易戦争をはじめとする米保護主義の拡大懸念◎
    ・トランプ大統領弾劾の可能性 ◎↓
    ・ドル高の人為的是正の有無 ◎↓
    ・アメリカ第一主義、保護貿易政策への転換の経済への影響波及
    ・減税、インフラ投資等の実効性
米ドル/円 通貨ペア 詳細分析

ユーロ(EUR)

ユーロ(EUR)相場の焦点
  • ・英国EU離脱の今後の展開と影響 ○ 
ユーロ/円 通貨ペア 詳細分析

豪ドル(AUD)

豪ドル(AUD)相場の焦点
  • ・米中貿易摩擦による中国の景気減速懸念◎↓
    ・金融緩和打ち止め観測 ○↑
    ・国内ファンダメンタルズの相対的な安定 ○↑
豪ドル/円 通貨ペア 詳細分析

NZドル(NZD)

NZドル(NZD)相場の焦点
  • ・新政権下の中銀の政策スタンス変化の有無 △↓
    ・米中貿易摩擦による中国の景気減速懸念◎↓
    ・国内の住宅価格の高騰とピークアウト ○↓
NZドル/円 通貨ペア 詳細分析

トルコリラ(TRY)

トルコリラ(TRY)相場の焦点
  • ・エルドアン大統領の経済政策、中銀支配への不安◎↓
    ・政情不安、経済政策への不信による海外資金の流出 ○↓
    ・米国との関係悪化一段落◎↑
トルコリラ/円 通貨ペア 詳細分析

南アフリカランド(ZAR)

南アフリカランド(ZAR)相場の焦点
  • ・米中貿易摩擦で中国景気失速懸念◎↓
    ・ムーディーズによるソブリン格付け引き下げ懸念◎↓
    ・資源価格の下げ止まり ○↑
    ・金価格反発  △↑
南アフリカランド/円 通貨ペア 詳細分析

ライブ株価指数

政策金利表

ページトップへ戻る