ドル円、中国株の上場廃止報道否定で上昇するも戻りは鈍い
海外時間の為替概況
30日(月)の海外市場でドル円は堅調推移。米中対立懸念を背景にドル円は欧州時間序盤にかけて107.75まで下落するも、@対ユーロでドル高が加速したことや、A先週末に報じられた「米政権は中国株の米ニューヨーク証券取引所への上場廃止を検討している」との記事について米財務省やナバロ米国家通商会議院長が否定的なコメントを発したこと(=米中対立懸念の緩和)、B上記Aを受けて米主要株価指数が上昇したこと(米ダウ平均株価は一時175ドル高)等が支援材料となると、米国時間午後にかけて、108.18まで上昇しました。もっとも、先週末金曜日に記録した直近高値108.19を前に伸び悩むと、引けにかけて再び反落。結局、108.10近辺でのクローズとなっております。尚、この日発表された米・9月シカゴ購買部協会景気指数(結果47.1、予想50.0)は冴えない結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。
一方、ユーロドルは続落。欧州時間序盤にかけて、日通し高値1.0948まで上昇するも、ドイツ・9月消費者物価指数(結果1.2%、予想1.3%、前回1.4%)が市場予想を下回ると、「ユーロ圏のインフレ鈍化懸念→ECBによる追加緩和観測→欧州債利回り低下→ユール売り」の経路で、心理的節目1.09ちょうどを割り込み、2017年5月以来、約2年5ヶ月ぶり安値1.0885まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、1.09近辺でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
先週末金曜日に報じられた「米政権は中国株の米ニューヨーク証券取引所への上場廃止を検討している」との記事が否定されたことでリスク警戒モードが幾分和らぎ、ドル円は米国時間にかけて108.18まで上昇しました。しかし、本日より中国の大型連休(国慶節)入りで米中に絡む続報が出づらいこと、米中閣僚級通商協議を10/10ー10/11に控え様子見ムードが根強いこと等を考慮すれば、ここからどんどん上値を追っていく展開も想定できません。9/27高値108.19や、レジスタンスライン108.27(8/1高値109.33と9/18高値108.48を結んだ抵抗線)、FOMC後に記録した9/18高値108.48付近を突破するのは容易ではないでしょう。
一方、ファンダメタンルズ的にみれば、米中の先行き不透明感が燻っている他、中国の大型連休(国慶節)にかけて香港デモ再開が警戒されていること、トランプ米大統領を巡る弾劾リスク、英国の合意なき離脱リスク、世界的な景気後退懸念など、不安材料は山積みです。本日発表される米・9月製造業PMIや、米・9月ISM製造業景況指数が冴えなければ、次回FOMCでの追加利下げを織り込む形でドル売りが広がる恐れもあり、反落リスクに引き続き注意が必要でしょう。尚、本日は日銀短観も発表されます。市場予想を下回る結果となれば、次回10月の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待を通じて、一時的に円売りが広がる可能性もあります。日本時間8:50の日銀短観にも注意が必要です。(本日の予想レンジ:107.50ー108.50)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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