ドル円週報 材料的には再びドル安でもおかしくないが・・・(9月第5週)

先週のドル/円は、ドルが小じっかり。週間を通した値幅は1.2円ほどと決して広くなかったが、週末にかけて108円台を一時回復、19日以来のドル高値を示現する局面も。

ドル円週報 材料的には再びドル安でもおかしくないが・・・(9月第5週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、ドルが小じっかり。週間を通した値幅は1.2円ほどと決して広くなかったが、週末にかけて108円台を一時回復、19日以来のドル高値を示現する局面も。

前週末には、事務レベルでの米中貿易協議が実施されていたが、複数報道で「米国を訪れている中国代表団が予定を早めて帰国した」と報じられ、期待されていた協議の進展に暗雲が垂れ込めたとの見方が広まった。

そうした状況下、週明けのドル/円は予想外の反応で、若干の円安スタート。107.65-70円と下方向にわずかなギャップを空けて寄り付いたが、やはり「米中貿易協議」進展期待の剥落などから、ジリジリと円が買い戻される展開に。

一時107円割れをワンタッチする局面も観測されている。しかし、その後は再び円売りが優勢になると、週末には108円台を回復するなど、トータルで1円を超えるドル高が進行。週末NYは、108円をわずかに下回る107.95円レベルで取引を終え、越週となった。

一方、週間を通した材料は、「米中貿易協議」と「日米貿易交渉」について。
前者については、前述した「訪米していた中国代表団が予定を早めて帰国」とのニュースに加え、トランプ米大統領から「部分合意ではなく完全な合意を望む」とのコメントが聞かれ、中国による農産物購入に限定した合意だけでは満足しない考えが改めて示され、楽観論が一時急速に後退した。

ただ、その後は米財務長官が「米中通商協議は10月初めにワシントンで再開される」と発言、米CNBCテレビも「米中両政府が来月10-11日にワシントンで閣僚級の貿易協議を開く予定」と報じたことで終盤にかけては逆に安心感も。

対して後者は、「25日に日米首脳が署名」とされていた両国の貿易協定について、ANNニュースが「日米首脳会談に協定の正式文書が間に合わないことがわかった」と報じ物議を醸す。しかし、完全決着からはほど遠い内容ながら、日米首脳から「貿易合意の第一段階」が正式発表され、なんとか体面は保つ格好に。なお、今回の日米貿易協定は来年1月1日に発効する予定とされていた。

そのほか、「英最高裁がジョンソン首相による議会閉会は違法」との司法判決を下し、それを受けて英議会が25日から再開されると激しい議論の応酬が続いたことや、米紙が第一報を伝えた「トランプ氏のウクライナ疑惑」が話題となっただけでなく、弾劾調査開始といった事態になるなど、かなりの大問題に発展しかねない状況だ。

<< 今週の見通し >>

先週は週末にかけて再び108円台乗せ。週末のNYクローズでは惜しいところで108円台を維持出来なかったが、リスクという点ではややドル高方向にバイアスがかかりそう。前回高値108.48円を超えれば109円台回復、移動平均の200日線が位置する109.15-20円がターゲットとなりそうだ。ただ、後述する材料面を考慮した場合には、むしろドル高進行に疑問が残りそう。先週末に掛けてのドル上値トライは、「ダマシ」だった可能性も否定出来ないだろう。

材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」などが引き続き注視されるなか、新たに「トランプ氏のウクライナ疑惑」が加わった。トランプ氏は強く抵抗そして反発をしているものの、米野党・民主党は「弾劾調査開始」という動きにでることを公表しており予断は許さない。

また、「米貿易問題」のうち、一応の決着を見た日米はともかく、米中についてはまだまだ問題が山積みだ。さらには、この週末、「米政権が対中証券投資の規制を検討している」との一部報道が観測されており、事実とすれば両国にとって新たな火種となりかねない。

テクニカルに見た場合、先週末に一時的とはいえ108円台を回復したことで、次の上値メドとして18日高値の108.48円が視界内に捉えられている。同レベルを超えれば、109円台回復、移動平均の200日線が位置する109.15-20円、あるいは8月高値である109.32円などがターゲットに。

それに対するドルのサポートは、毎日5-10ポイントずつ切り上がってくることが予想される移動平均の25日線か。ちなみに、先週末段階では107.20円レベルに位置していた。

材料的に見た場合、9月のISM製造業景況指数や同雇用統計など、週間を通して重要とされる米経済指標の発表が相次ぐ。実施される米地区連銀総裁の講演などとあわせ、次回FOMCを見極める意味もあり、市場の注目度は非常に高い。それら内容如何で一喜一憂する可能性も否定出来ないようだ。

そのほか、「トランプ氏のウクライナ疑惑」をはじめ、注意すべき米国ファクターは少なくないが、前述したように25日から議会が再開された「英国情勢」など欧州ファクターにも一応の注意を払いたい。

そんな今週のドル/円予想レンジは、106.70-109.20円。ドル高・円安については、18日高値の108.48円の攻防にまずは注目。上抜ければ109円台乗せがみえてくる。

対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線をはじめ、複数のテクニカルポイントが位置する107円前半が最初のサポート。割り込めば、先週安値である106.96円がターゲットとなりそうだ。

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