ドル円見通し 売り材料に反応しやすくなる。日足は4日連続陰線(9/25)

25日夜、26日にかけては安値試しを続けやすい時間帯と思われる。新たな強気サイクル入りには24日夜高値を上抜き返す必要がある。

ドル円見通し 売り材料に反応しやすくなる。日足は4日連続陰線(9/25)

【概況】

米中協議再開と合意期待を背景に8月26日安値104.45円から反騰に入り、9月18日には108.47円まで戻した。この間の戻り幅は4.02円の円安ドル高だった。米国の対中制裁関税第4弾発動宣言で急落する前の高値が8月1日の109.31円であり、そこへ迫る勢いだったが、届かずに失速に転じた。9月19日から24日まで、4営業日連続で日足は陰線となり、8月26日からの戻り幅に対して38%を下げた。また25日未明安値では106.94円をつけたが、重要な下値支持線となる26日移動平均(106.96円)に到達した。

9月前中盤は連日の日足陽線で上昇してきたが、9月18日高値の後は折り返しで陰線続きとなっており、8月26日からの概ね3か月周期のサイクルにおける戻りが一巡して下落期に入ってきた印象も強まり始めた。

9月18日高値からの反落は、米中協議進展への楽観が後退したことに加え、サウジへの無人機攻撃テロとその後の米国によるイラン批判が背景だったが、欧米の景況感が悪化してきていることで米連銀への追加利下げ要求が強まってきたことも加わっている。
9月24日は米消費者信頼感指数の悪化、トランプ大統領の国連演説での中国・イラン批判、ウクライナ問題でのトランプ大統領弾劾の動き等からリスク回避感が強まり、NYダウが下落、ドル円も107円割れまで売られた。

【リスク回避感の拡大】

ムニューシン米財務長官は9月23日に米中閣僚級貿易協議が10月第2週にワシントンで開かれると発表したが、中国の訪米団が米国の農場視察を中止したこと、トランプ大統領が部分的・暫定的な合意を望まないと強く表明したことで先行き不透明感が強まった。大統領は24日の国連演説でも香港情勢や不公正な貿易慣行に触れて中国を批判している。米中協議再開と関税拡大の延期や一部解除等の動きが市場にかなり楽観的な空気をもたらせてきたのだが、冷水を浴びせられた格好だ。

トランプ米大統領は国連演説でイランに対して経済制裁を中心に「最大限の圧力」をかけると述べたが、既にサウジへの増派も決定しており中東情勢不安は継続している。
ペロシ米下院議長(民主党)は24日にトランプ大統領の弾劾訴追に向けた調査開始を表明した。バイデン前副大統領が絡む問題で調査協力をウクライナ大統領に圧力をかけたこと等が「重大な憲法違反に当たる」とされる。

米コンファレンス・ボードが24日に発表した9月の消費者景気信頼感指数は125.1で前月の134.2から低下、市場予想の133.5も下回ったが、前月からの低下幅はこの9ヶ月間で最大だった。景況感の悪化は株安とともに米連銀への追加利下げ催促となるが、NYダウはトランプ大統領への弾劾の動きもあって前日比142.22ドル安と下落、米10年債利回りは前日比0.08%低下の1.65%となり、9月13日からの低下傾向が続いている。株安はリスク回避での円高圧力となり、米10年債利回り低下は長期金利差縮小としてドル売り円買い圧力となる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

ドル円60分足

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、9月23日夕安値から24日夜へいったん戻してから一段安となったため、23日夕安値を直近のサイクルボトム、24日夜高値を同サイクルトップとして弱気サイクル入りしたと思われる。23日夕安値を起点として次の安値形成期は26日午後から30日夕にかけての間と想定されるので、25日夜、26日にかけては安値試しを続けやすい時間帯と思われる。新たな強気サイクル入りには24日夜高値を上抜き返す必要がある。

60分足の一目均衡表では24日夜の上昇では先行スパン突破に失敗し、深夜の下落で遅行スパンは再び悪化している。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転の場合は先行スパン突破試しとするが、上昇再開には両スパン揃って好転する必要があると思われる。

60分足の相対力指数は24日深夜の下落で30ポイントを割り込んだ。23日からの安値更新に対して指数のボトムは切り下がっているので強気逆行はまだ見られない。40ポイント台を抵抗とし、30ポイント以下を何度か試す可能性ありとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。

(1)当初、25日未明安値106.94円を下値支持線、107.30円を上値抵抗線とみておく。
(2)107.30円以下での推移中は一段安警戒とし、106.94円割れからはまず106.50円前後試しを想定する。106.50円前後では買い戻しも入りやすいとみるが、材料を伴って106.50円を割り込む場合は25日深夜から26日にかけて106円台序盤へ進む可能性もあると注意する。
(3)107.30円を超えても維持できずに107円割れするところからは下げ再開とみる。107.30円超えから続伸の場合は107.50円前後試しとその後の反落警戒とする。

【当面の主な予定】

9/25(水)
11:00 (NZ) ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利 (現行 1.00%、予想 1.00%)
15:00 (独) 10月 GFK消費者信頼感 (9月 9.7、予想 9.6)
21:00 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、講演
23:00 (米) ジョージ・カンザスシティー連銀総裁、上院銀行委員会証言
23:00 (米) 8月 新築住宅販売件数 年率換算件数 (7月 63.5万件、予想 66.0万件)
23:00 (米) 8月 新築住宅販売件数 前月比 (7月 -12.8%、予想 3.5%)

9/26(木)
08:00 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、Q&A参加
15:35 (日) 黒田東彦日銀総裁、全国証券大会で挨拶
21:30 (米) 4-6月期 GDP確定値 前期比年率 (改定値 2.0%、予想 2.0%)
21:30 (米) 4-6月期 GDP個人消費・確定値 前期比 (改定値 4.7%、予想 4.7%)
21:30 (米) 4-6月期 コアPCE・確定値 前期比 (改定値 1.7%、予想 1.7%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 20.8万件、予想 21.1万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 166.1万人、予想 166.6万人)
22:30 (欧) ドラギ欧州中銀(ECB)総裁、講演
22:30 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、開会挨拶

22:45 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
23:00 (米) 8月 住宅販売保留指数 前月比 (7月 -2.5%)
23:00 (米) 8月 住宅販売保留指数 前年同月比 (7月 1.7%)
23:00 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、挨拶
24:45 (米) デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、会合挨拶
27:00 (メ) メキシコ中銀、政策金利 (現行 8.00%、予想 7.75%)
27:00 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁裁、タウンホールミーティング
29:30 (米) バーキン・リッチモンド連銀総裁、講演

オーダー/ポジション状況

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