ドル円、良好な中国経済指標を受けて一時上昇するも戻りは鈍い
海外時間の為替概況
2日の外国為替市場でドル円は下落後に反発。@米中両政府が9/1付で追加関税の発動に踏み切ったこと(=関税発動を結局避けられなかったこと)を受け、ドル円は週明け早々に105.93まで急落しました。しかし、A中国の財新製造業PMI(結果50.4、予想49.8)が3ヶ月ぶりに景気拡大と縮小の分岐点である50を上回ったこと、Bそれに伴って上海株を中心にアジア株が底堅く推移したこと等が支援材料となると、欧州時間序盤にかけて高値となる106.40まで上値を伸ばす場面も見られました。
もっとも、106円ミドルでは戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、C英国の解散総選挙の可能性が報じられたこと(英国情勢の不安定化)や、D中国商務省より「米国の追加関税は大阪サミットの米中首脳会談で決定された合意を破るもの」と報じられたこと、E一部メディアより米中貿易交渉を巡る「9月会合の設定が難航している」と報じられたこと等が重石となり、ドル円はNY時間午後にかけて再び反落。レーバーデー(米市場休場)で市場参加者に乏しい中、結局106.20台でのクローズとなっております。
一方、ユーロドル相場は続落。@ドイツ・8月製造業PMI改定値(結果43.5、予想43.6)が市場予想を下回ったことや、A英国にて解散総選挙の可能性が報じられたこと、B次回ECB理事会での根強い追加緩和期待が重石となった格好。直近安値を割り込むと、約2年3ヶ月ぶり安値となる1.0957まで下げ幅を広げました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は先週後半にかけて底堅さを取り戻しましたが、今週に入って再び上値の重さが目立ち始めました。トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドを再び割り込むなど、テクニカル的に見て、下落リスクが警戒されます。また、@世界的な貿易戦争が通貨安戦争(利下げドミノ)に波及するリスクや、A米中貿易摩擦の長期化懸念、Bイランやトルコ、香港や朝鮮半島、インドやパキスタンで燻る地政学的リスク、C世界経済の不安定化、D英国情勢の不安定化など、E追加緩和の手札に乏しい日銀と、9月FOMCでの大幅(50bp)利下げを織り込む米国との金融政策格差など、ファンダメンタルズ的な要素も、ドル円の上値余地を阻む一因と考えられます。
本日発表される米・8月ISM製造業景況指数が冴えない結果となれば、次回FOMCでの大幅追加利下げを織り込む形で再びドル売り圧力が強まる恐れがあります。米中貿易摩擦を巡るヘッドラインや、米経済指標の結果、米株や米長期金利の動きを睨みながらも、レーバーデー明けの為替市場はやや「ドル安・円高方向」に警戒が必要でしょう(本日の予想レンジ:105.75ー106.75)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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