<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、ドルが強保ち合い。106円を一度も割り込むことなく、ドルは底堅い展開に終始した。
ドル円は106.05円レベルで寄り付いたものの、市場は引き続き盆休みをとっている向きが多く、積極的な売買は手控えられ気味だった。時間外で取引されているNYダウ先物は150ドルもの上昇を記録したが、影響は限定的だった。ドル円は終日を通して30ポイント足らずのレンジ取引、106円台前半での一進一退に終始すると、16時時点では106.10-15円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、トランプ米大統領からSNSを使用した発言が聞かれるなど、引き続き「香港」をめぐり、ともにバチバチとやり合うなか、「習主席と近く電話で会談」する可能性が取り沙汰されていた。それに対し、貿易面は、やはりトランプ氏から「かなり短い期間で協議が終了するのではないか」、「中国の出方次第で究極の報復を行う」「通商合意は米側有利の条件でなければならない」、「中国の為替操作国認定は公約通り」−−などといった強気発言が複数聞かれている。
対して後者は、またもや本日早朝に、「北朝鮮が2発の飛翔体」を発射。日本の排他的経済水域(EEZ)への飛来は確認されなかったが、マーケットに一瞬緊張感が走った。また前後して、朝鮮中央通信が「北朝鮮、文韓国大統領の行った光復節式典での演説を非難」したうえで、「韓国とこれ以上話すことはない」と発表したと報じ、こちらも物議を醸している。
<< 欧米市場の見通し >>
本日の東京時間は30ポイント足らずのレンジ取引となったものの、マーケットは引き続き値動きが軽い状況に変化はないようだ。このあとの欧米時間も、思わぬ価格変動には依然として注意を払いたい。とは言え、時間足などを見ると、ここ3日ほどは105.60-107.00円といった若干広めのレンジを形成している。たとえ上下動はあるにせよ、上記レンジ内にはとどまりそうとの見方も少なくない。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が多いなか、香港ファクターも含めての「米中情勢」が気に掛かる。貿易面では目先の危機感がようやく一歩後退した感があったものの、新たな対立軸として台頭してきた香港ファクターがそれを台無しにしている感もある。また、単なる貿易問題・貿易戦争にとどまらず、通貨を含めた貿易通貨戦争の様相を呈していることにも要注意だ。いずれにしても、本日もトランプ米大統領による発言が波乱要因となる可能性もある。
テクニカルに見た場合、時間足など短期的には105.60-107.00円といったレンジを形成している感がうかがえる。明確な方向性そのものは、やや欠いている感があるものの、値動きそのものは若干荒っぽい。株価や米長短金利などをにらみつつ、本日もレンジ内での乱高下、薄商いを狙った投機筋の仕掛けなどには注意を払いたい。
一方、材料的に見た場合、7月の住宅着工件数や8月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された米経済指標は総じて良好となり、それだけをみれば「米追加利下げ」観測の後退を後押しし、為替市場でもドル買いにつながっていた。トランプ氏などによる利下げ催促は依然としてキツイが、本日も同様の指標内容となれば、再びドル高を支援することになりそうだ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、105.70-106.70円。ドル高・円安方向は、本日東京高値も近い106.30円前後の攻防にまずは注目。上抜けた場合には、昨日高値の106.78円や107円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京時間に一度も割り込めなかった106円レベルが最初のサポート。下回ると、ここ3日ほどサポートとして寄与している105.65円レベルが意識されそうだ。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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