ドル円下値攻め後に急反発、為替操作国認定と中国元中心レート高め設定で
6日の東京市場でドル円は本日も朝から荒れ模様。朝7時前に米財務省が中国を「為替操作国」に指定したことが伝わるとドル円は前日安値を下回る105.52まで急落しました。しかし、その後中国人民銀行が10:15のフィキシングで本日の中心レートを1ドル=6.9683人民元と前日終値より低め(=人民元高)に設定すると急反発、一時106.38と短時間で80銭超上昇する動きとなった後、東京時間11:30現在は116.10-15レベルでの取引です。
昨晩の海外市場でも米中貿易摩擦発のリスクオフの動きとスパイラル的な株価下落は止まらず、NYダウは今年最大の下げ幅の767ドル安で引けており、本日午前の日経平均も一時600円超下げた後、420円安で前場を終了しています。尚、米10年もの国債利回りは今朝方1.67%台まで下落しましたがその後やや反発し1.71%台を回復しています。
米国の中国為替操作国認定に先立ちトランプ大統領は昨日の1ドル=7.0000人民元を越える急激な元安を「為替操作」と批判、金融当局の対応を求めていました。これを受けて、今回異例のタイミング(通常は半年一度の議会への「為替報告」時に認定)で為替操作国認定が行われたことが市場を驚かせました。
声明でムニューシン財務長官は前日に人民銀行が発表した「外為市場で生じる可能性のあるポジティブなフィードバック反応に対し、必要かつ的を絞った措置をとる」との声明をとらえ、人民銀行が為替操作を行うことを公に認めたものとして非難しています。
人民銀行の声明が言わずもがなであったことは間違いありませんが、人民元の動きは主要通貨の為替市場の動きを反映したものであり、そもそもの市場の混乱のきっかけがトランプ大統領自身の行動であることを考えれば、本日の人民銀行の仲値設定は大人の対応であるといえます。もっとも、設定された仲値自体は、7.0を下回ったとはいえ前日より幾分元安に設定されており、2%幅の許容される実勢レートも、午前中前日より元安の7.0580レベルで推移しているため、米中「通貨戦争」へのエスカレート懸念が無くなったものではありません。
テクニカルには小幅反発したとはいえドル円に反転の兆しは見えず、現状は米中対立の沈静化と、米金利、株価の下げ止まりを待つしかない状況です。
リーマンショックの株連鎖安の時は最後に歯止めとなったのは中国でした。今朝の元フィキシングはそれを一瞬想起させるものでしたが、今回は中国自体が攻撃対象となっている以上中国にアンカーの役割を期待するのは簡単ではなさそうです。
連日アジア時間に下げていた米長期金利が本日は下げ止まっているのが救いですが、現状ではトランプ大統領の気のすむまで混乱が収まることは無いものと考えざるを得ません。
ドル円30分足
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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