ドル円急伸、109円台乗せ
1日午前の東京市場でドル円は続伸。9時台に109.32の高値をつけ東京時間11:30現在は109.15-20レベルで取引されています。
未明のFOMCの結果公表では、政策金利は予想通り0.25%の引き下げとなったものの、パウエル議長がその後の記者会見で、「長期的な利下げサイクルの始まりではない」などと発言したことで金利先安感が後退。NYダウは一時480ドル近く売られ、ドル円も109円ちょうどをつけました。しかし、その後は会見中の株価急落に、同議長が「一回しか利下げを行わないといっているわけではない」と火消し発言。トランプ大統領もパウエル議長を期待はずれと批判しつつも、量的緩和の縮小の停止を前倒しで実施したことは一応評価したことなどもあり、ドル円は108円台後半に値を戻し、米株は下げ幅を縮小してアジア時間につなぎました。
FOMCは為替市場で一旦材料としては消化されたものと考えられたため、米株安を受けての本邦株安とあいまって、本日東京市場でのドル高進行は考えにくいと思われました。しかし、東京時間9時以降に米長期金利がやや戻したこともあり、もう一度材料をやり直す形でドル買いが進行。節目と見られた109.00を上抜けたことで、逆に円安の進行が日経平均の急落を支えるやや意外な展開となっています。日経平均午前は4円高とプラス圏で終了しています。
ドル円は本日午前までの上昇で5月末に中国がレアアース輸出規制を持ち出して世界貿易戦争懸念からのリスクオフが広がる前の水準を回復しつつあります。節目の109円を抜けたことでテクニカルには上値余地が広がっており、当面は109.53にある90日移動平均線を目指す動きです。同水準は年初来高値112.40から6月の安値106.78への下落の半値戻し109.59に近く、さらに日足の一目均衡表の「雲」の上限も一致しているため、強いレジスタンスを形成しそうです。
ただ、米国の極端な利下げへの期待は後退したものの、パウエル議長が今後利下げを行わないと言ったわけではなく、9月の再利下げ確率も未だ5割を超えている状況です。足下もドル円の上値を追う動きとはなっておらず、本日のところは109円の足場を固められるかに注目です。
ドル円30分足
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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