<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、ドルが弱含み。対円では一時107.60円台まで下落し、7月安値の107円半ばをうかがう局面も観測されている。
東京市場は107.90-95円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。107.85-00円のレンジ取引をたどっていたが、底割れすると、一気に107.60円台まで値を下げた。時間外取引で米金利が低下したことに加え、日経平均株価が続落。後者は終値ベースで400円以上も下落したことなどが材料視されていた。
その後も、ドルは上値の重い展開を続けるなか、16時時点では107.70円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」について。
昨日もレポートしたように、ここ最近はFRB議長を中心とした「弱気な発言」vs「強い米経済指標」といった構図で、市場筋もなかなか次の一手が読み切れないでいる。実際、有力欧米紙WSJもコラムで「FRBの利下げは必要か、経済指標で薄らぐ根拠」などと指摘していたが、昨日は発表された米経済指標が予想外の弱い結果となり、市場のドル売りを後押ししていた。また、米地区連銀経済報告に記された「数ヵ月先の米景気は貿易摩擦への懸念が広がる」との見解、カンザスシティ連銀総裁による「リスク顕在化なら金融政策めぐる見解修正も」とする発言もドルの弱材料に。
そのほか単発モノとしては、IMFが発表した年次報告で「ドルは6-12%の過大評価」と示したことが思惑を呼んでいたほか、トランプ米大統領が4日連続で民主党の女性議員を攻撃、またもや「出て行っていい」などと発言したことも物議を醸している。それとは別に、日本の輸出管理規制の影響もあってか、韓国中銀が予想外の「政策金利を25BP引き下げ」したことも一部で話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
引き続き長い目で見た場合にはレンジ内であるが、ここ最近はレンジ内でやや荒っぽい変動。そして、本日東京時間には短期的なサポートであり底堅かった107.80円を割り込む展開となり、過去3週間ほど続くレンジの下限、107円半ばを視界内に捉えた値動きだ。以前から何度も指摘しているように、昨年来のドル円相場は「ダマシ」が多いことが若干気掛かりながら、次のサポート107円半ばを下回ると基本的には107円割れ、6月安値の106.78円がターゲットに。
材料的に見た場合、引き続き「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などへの関心が高いなか、目先でもっとも注視されているのは「米金融政策」をめぐる動き。発表される米経済指標や通貨当局者による発言などに注意を払いたい。また、ここにきて急速に注目度を挙げている「米国とトルコの対立関係」や、9月に迫った「米債務上限問題」を背景とした米議会の攻防を警戒する声も聞かれていた。なお、後者について、野党民主党のペロシ米下院議長は「25日までに関連法案を提出したい」としたうえで、「今週末19日までに政権との合意が必要」と指摘している。
テクニカルに見た場合、先週後半から1週間程度にわたりドルの下値を支えてきた107.80円レベルを、本日東京時間に割り込んできた。長い目で見ればまだレンジ内だが、次のサポートである107円半ばを下回ると107円割れの可能性も。
それに対するドルの対抗は、東京時間に一度も越えられなかった108円レベル。移動平均の25日線なども近くに位置、思いのほか強い抵抗なのかもしれない。
一方、材料的に見た場合、7月のフィラデルフィア連銀景況指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、ウィリアムズNY連銀総裁などによる講演が実施される見込みだ。後者はもちろん、前者については月曜日、火曜日と好数字が続くなか、昨日発表された6月の住宅着工件数などは期待を裏切る結果となっただけに、再び好数字となるのか、それとも悪数字が続くのか、大いに注視されている。結果如何では、本日も乱高下しそうだ。
そのほか、18日までの予定でフランスにて実施されるG7財務相・中銀総裁会議の行方も気掛かり。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.30-108.20円。ドル高・円安方向は、前述したように108円レベルが最初の抵抗。上抜ければ108.30-40円や、12日高値の108.61円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、3日安値107.53円の攻防にまずは注視。割り込めば、107.30円レベルが次のサポートだが、107円割れも視界内に。
ドル円時間足
オーダー/ポジション状況
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