ドル円、米長期金利の低下を背景に再び108円割れ。
海外時間の為替概況
17日の海外市場でドル円は反落。新規材料に乏しい中、一時108.32まで上値を伸ばすも、前日高値108.38を抜け切れず失速すると、米6月住宅着工件数(結果125.3万件、予想126.0万件)の予想比悪化や、米ダウ平均株価の下落、米長期金利の急低下が重石となり、NY時間引けにかけては、107.94まで下げ幅を広げました。尚、注目されたベージュブック(地区連銀経済報告)では、「米経済は緩やかに拡大」「見通しも概ね明るい」と楽観的な見方が示されましたが、相場への影響は限定的となっております。
一方、ユーロドルは下落後に反発。クーレECB理事による「ユーロ圏の成長見通しを巡るリスクはダウンサイドに傾斜」との発言を受けて、ユーロドルは欧州時間序盤に一時1.1200まで下落するも、心理的節目1.12割れが阻まれると、米長期金利の低下を受けたドル売りが支援材料となり、結局1.1225付近まで反発してのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、一目均衡表転換線(108.38)に続伸を阻まれる形で下落に転じると、結局心理的節目108円を割り込む展開となりました。テクニカル的に見て、108円台での上値の重さが強く意識されます。今月末のFOMCでの大幅(50bp)利下げ期待が依然根強く、米長期金利の伸び悩みがドル円の上値を抑制している状況です。一目均衡表「雲」が垂れ下がってくることを考慮すれば、ドル円の上値余地は日に日に狭まってくると予想されます。本日日本時間21:30に発表される米7月フィラデルフィア連銀景況指数が冴えない結果となれば、ドル円が大きく下げ幅を拡大するシナリオも想定されます(※月末FOMCまでは強い経済指標への反応が鈍い一方、弱い経済指標に反応し易い地合いが続く)。通貨オプション市場でもリスクリバーサルが再び拡大に転じ始めるなど(円コールオーバーの拡大)、ドル円のダウンサイドリスクがじわりと強まりつつあります。米経済指標の結果を睨みながらも、ドル安・円高をメインシナリオとして予想いたします。(予想レンジ:107.35ー108.35)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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