目先抵抗超えるも、上値重く結局レンジ内(7/17夕)

17日の東京市場は、揉み合い。108円前半のわずか20ポイント強という狭いレンジ取引に終始しており、方向性は乏しかった。

目先抵抗超えるも、上値重く結局レンジ内(7/17夕)

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17日の東京市場は、揉み合い。108円前半のわずか20ポイント強という狭いレンジ取引に終始しており、方向性は乏しかった。

東京市場は108.20円前後で寄り付いたものの、上下とも動きにくく、終日を通してレンジ相場。108.10-35円といった20ポイント強の変動にとどまっている。新規材料に乏しいうえ、時間外取引を含め日米などの株価もいまひとつパッとせず、材料視しにくかった。16時時点では、108.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
トランプ米大統領が閣議で、対中貿易協議をめぐり「中国への関税に関しては先行き長い道がある」と述べ、交渉の長期化を示唆したうえで、「わたしが望めば中国に追加関税かけることは可能」と改めて譲歩を迫るなど、今後の協議の行方が懸念されていた。それに対し日米については、ロイターが「日米、9月までの小規模な貿易合意の可能性」などと報じており、こちらは逆に協議進展の期待も台頭していたようだ。

そのほか単発モノとしては、公費で豪華夕食会報道が取り沙汰されていた「ドルジ仏環境相、フィリップ首相に辞意を伝える」との報道やスカイニュースが報じた英国情勢、「ジョンソン前外相が英の次期首相に就任した場合、10月に議会を最大2週間休会させる可能性」−−が欧州の波乱要因として思惑を呼んでいた。また、米下院による「トランプ大統領のコメントを非難する決議案を可決」や、聯合ニュースが報じた「北朝鮮の非難にもかかわらず、米韓は秋の合同演習を準備中」なども市場の一部で話題に。

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週初から時間足など短期ベースでは最低3度上値を抑制してきた108.10円レベルを、欧米時間に越えてきたものの、大きく放れることはなく上値も重そう。見方を変え、少し長いタームで考えれば、107.50-109.00円のレンジは崩れておらず、方向性はいまだハッキリしていない。引き続き次の方向性を探る展開、前述したレンジの上限あるいは下限のいずれを抜けていくのか、タイミングを含めて注視されているようだ。

材料的に見た場合、引き続き「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などへの関心が高いなか、ここのところ大きな動きのなかった「北朝鮮情勢」にも新たなニュースが取り沙汰されるなど予断は許さない。

ただ、それでも目先もっとも注意すべきは「米金融政策」をめぐる動きか。FRB議長を中心とした「弱気な発言」vs「強い米経済指標」といった構図で、市場筋もなかなか次の一手が読み切れないでいる。とは言え、本日以降も強めの指標発表がさらに続けば、7月のFOMCはともかく、次回会合以降の利下げ期待は大きく萎むことになりかねないかもしれない。

テクニカルに見た場合、昨日108.10円を上限とした目先の抵抗は上抜けたが、それでも大きなレンジ内にとどまっており、依然として方向性はハッキリしない。上方向であればレンジの上限である109円レベルをしっかり超えていくことが出来るのかが当然注視されているが、その前段階として108.50-60円をめぐる攻防にも要注意だ。
対して下方向はというと、強固な岩盤が形成されつつある107.80円前後の動きに注視を払いたい。

一方、材料的に見た場合、6月の住宅着工件数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米地区連銀経済報告の内容も注視されている。ちなみに、前者は今週に入って以降、発表された米経済指標が連日好数字となっているだけに、本日も良好な内容そしてドル高進行を期待する声も少なくないようだ。
そのほか、18日までの予定でフランスにて実施されるG7財務相・中銀総裁会議の行方なども気に掛かる。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.80-108.60円。ドル高・円安方向は、昨日高値の108.35-40円が最初の抵抗。上抜ければ12日高値の108.61円、108.99円などがターゲットに。

対するドル安・円高方向は、昨日まで短期的な抵抗だった108.10円レベルの攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも107.80円前後は強固な岩盤となりつつあり、ドルは底堅そう。(了)

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