ドル円、香港紙による米中休戦報道で一時急伸するも結局反落
海外時間の為替概況
27日の海外市場でドル円は反落。ムニューシン米財務長官による「中国との交渉が暗礁に乗り上げる前は妥結まで90%のところまで来ていた、合意達成への道筋はある」との発言や、香港紙(サウスチャイナ・モーニングポスト)における「米国と中国の貿易戦争は一時休戦」との報道を受け、ドル円はアジア時間に、一時108.16まで急伸しましたが、同水準に並ぶ21日移動平均線やボリンンジャー・ミッドバンドに続伸を阻まれると、米州勢参入後に反落。クドロー国家経済会議(NEC)委員長による「米国は中国への追加関税を進める可能性がある」との発言や、米政府高官による「ファーウェイに対する制限条件を解除する可能性は少ない」との発言も重石となる中、一時107.68まで下げ幅を広げました。もっとも、G20を前に手控えムードも根強く、引けにかけては膠着商状。結局、107.76でのクローズとなっております。
ユーロドル相場は横ばい推移。注目されたドイツ・6月消費者物価指数(結果1.6%、予想1.4%)は力強い伸びを示しましたが、G20を前にした手控えムードから反応は限られ、1.13台後半での小動きに終始。1日の値幅が33ポイント(海外市場のみだと23ポイント)に留まるなど、方向感に欠ける値動きが継続しました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円相場は、@ダブルトップからの下放れ、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B44営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て「下落リスク」が強く意識されます。ここ2日間のドル高・円安を受けて、強い下落トレンドを示唆するバンドウォークは終了しましたが、一目均衡表転換線(107.75)やボリンジャー・ミッドバンド(108.08)、21日移動平均線(108.16)付近では戻り売り意欲も根強く、108円台での定着には至りませんでした。米中貿易摩擦の激化や世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政悪化問題、米独関係悪化懸念、イランを巡る地政学的リスク、日本とその他各国との金融政策格差の縮小など、ファンダメンタルズ的な弱さもドル円の上値を抑制する一因となっております。本日も、G20を巡る要人発言、米中首脳会談に絡む各種ヘッドラインに振らされる神経質な値動きが続きそうです。ボラティリティの急拡大に注意が必要です。(予想レンジ:107.00ー108.20 ニュートラル見通し)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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