ドル円11時台に急上昇、香港紙の米中「休戦」報道に一時108円台を回復
27日の東京市場でドル円は横這い後に急伸。昨晩欧米市場でドルが買い戻された流れを受けて、朝方は107.65-80レベルで取引されていましたが、週末に予定されているG20での米中貿易交渉に関し楽観的な見方が広がったことから一段高となり、一時108.03と一週間ぶりに108円台を回復、東京時間11:30現在も107.98レベルのドル高値圏で取引されています。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストの電子版は午前中、関係筋の話として「米国と中国が貿易戦争における一時的休戦に合意した」と報道。これによれば今回の首脳会談成立と今後の協議継続のため、米国はトランプ大統領が連日主張している「今回交渉の成果がない場合の中国からの全輸入品に対する追加関税実施」を延期することで合意したとのことです。報道は米中貿易摩擦全面解決にはほど遠い内容ですが、とりあえず今週末最悪の事態は回避されるとの見通しに市場はポジティブに反応、アジアの主要株価指数は午前中前面高となり、日経平均も175円高の21,262円で午前の取引を終えています。
テクニカルにはドル円は昨日来の上昇で、下降トレンド内を上昇中。現在108.17レベルの21日移動平均線、108.30近辺の下降トレンド上限あたりが意識されます。
ただ、米中貿易問題が今週末に大きく進展する見込みは立てにくく、今回も共同声明ではなく継続交渉を前提に双方が別々の内容を公表する玉虫色の解決が図られる可能性が高いものと見られ、ドルの上昇も限定的と思われます。トランプ大統領と中国の習主席は29日土曜日午前11時半に予定されています。
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