<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、ドル安・円高。107円を割り込み、一時106円台へと下落する局面も観測されていた。
ドル円は107.25円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。107.20-40円といったレンジで一進一退をたどるも、底割れすると、そのまま一気に107円割れトライとなり、日中安値の106.75-80円へ。そのレベルではさすがに下げ止まるも、上値はすでに重く、107円前後からは上げ渋りの様相に。16時時点では107.00-05円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、ビットコインは、未明の10900ドル前後を目先の起点とし、東京時間には11400ドルまで500ドル程度の上昇。乱高下ということではなかったが、値動きそのものは依然として荒っぽい。
一方、材料的に注視されていたものは、多岐にわたる「トランプ米大統領」発言や関連ニュースについて。
まずは「ホルムズ海峡近辺を航行する自国の石油タンカーを自国で防衛する必要がある」や「イラン最高指導者に制裁へ」とイラン関連で発言したことが物議を醸したうえ、「利下げしないFRBは頑固な子どものよう」、「北委員長に『友好的な書簡』を送ったことを認める」などと、米金融政策や北朝鮮に関する言及も観測されていた。そののち、トドメとなったのは「自分が望めばパウエル議長を解任できる」、「日米安保条約破棄の可能性に言及」−−との発言。いずれもが、相場の波乱要因となっていた。
そのほか単発モノとして、「FRB議長、金融政策について7月10日に下院金融委で証言へ」、朝日新聞「安倍首相、中国国家主席と会談時に再来日要請へ」、中国商務省「米中の通商交渉チームは対話を続けることで合意」、「米中首脳会談は29日で調整、貿易・北朝鮮を協議」、茂木再生相「米通商代表と週内に再度協議する」−−とする発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル安・円高の動きが止まらない。今月高値108.80円を起点と考えても、2週間で2円程度の下落をたどっていることになる。テクニカルに見ても、リスクは引き続き下向きであり、また最新のシカゴIMM投機ポジションをみても、円ショートはさすがに整理されてきたとはいえ、それでも6月18日時点で1万6000枚を超える円ショートが残存していた。もう一段のドル売り・円買いが進行しても不思議はないかもしれない。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など継続案件は依然として多く、その多くが円高の支援要因となっている。たとえば「イラン情勢」については、米が「イラン最高指導者に制裁」を発表したことに対し、イランサイドは反発を強めており、「新たな制裁は外交の道筋が『永遠に』断たれたことを意味する」などと、なかなか過激なコメントを発していた。そのほか、週末のG20首脳会議などをにらみ、政治的な動きが各国ともに活発。本日でいえば、かつて香港紙が報じた「25日にも米中閣僚級協議が再開される」状況には注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、一時下げ止まった感のあった107円レベルだったが、本日の東京時間に再下落すると106.75-80円まで値を下げている。同レベルは弱いサポートに当たることで、一旦の下げ止まりを期待する声はあるものの、リスクという点では依然として下向きにバイアスか。フィボナッチによる次のサポートである106.05円をメドに続落する展開にも一応要注意。
それに対して、ドルが目先底堅く推移した際の抵抗は、一目均衡表の転換線も近い107.70-80円などとなる。
一方、材料的に見た場合、6月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数など幾つかの重要な米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債の入札、ボスティック・アトランタ連銀総裁やパウエルFRB議長の講演など、注目要因は目白押し。そのほかでも、先で取り上げた「米中閣僚級協議再開」などは気掛かりだ。当初は、「週末G20にらみでしばらく動きにくい」と予想していたが、逆に様子見ムードが強いなか、荒っぽい変動をたどる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、106.50-107.50円。ドル高・円安方向は、本日東京時間に割り込んだのち、上値がジワリと重くなってきた107円前後が最初の抵抗。「しっかり」と越えられれば107円半ば、あるいは107.75円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の106.75-80円の攻防にまずは注視。割り込めば、フィボナッチによるサポート106.05円が意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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