ドル円、トランプ米大統領による「イランへの追加制裁を科す大統領令」署名で上値の重い展開(6/25朝)

24日の海外市場でドル円は上昇後に反落。

ドル円、トランプ米大統領による「イランへの追加制裁を科す大統領令」署名で上値の重い展開(6/25朝)

ドル円、イランへの追加制裁を科す大統領令署名で上値の重い展開

海外時間の為替概況

24日の海外市場でドル円は上昇後に反落。@米5月シカゴ連銀全米活動指数(結果▲0.05、予想▲0.20)が市場予想を上回ったことで、ドル円は一時107.54まで上値を伸ばしましたが、その後発表されたA米6月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲12.1、予想1.0)が冴えない結果となると、B米10年債利回りの急低下(2.061%→2.016%)や、Cトランプ米大統領による「イランへの追加制裁を科す大統領令」への署名も重なり、NY時間午後にかけては、107.25まで下落する展開となりました。もっとも、週末の大阪サミットを前に手控えムードも根強く、ここからどんどん売っていく動きにも繋がらず。結局107.30付近まで小反発してクローズするなど、方向感を見出すには至りませんでした。

一方、ユーロドル相場は本日も続伸。欧州時間序盤にかけて一時1.1372まで下げ幅を広げるも、注目されたドイツ6月Ifo景況感指数(結果97.4、予想97.2)が市場予想を上回ると、冴えない米経済指標を受けたドル売りも重なり、NY時間引けにかけては、3/21以来、約3ヶ月ぶり高値となる1.1402まで上値を伸ばしました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局1.1398付近でのクローズとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円相場は、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B42営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て「下落リスク」が強く意識されます。オシレータ系インジケーターのRSI(26%)に過熱感(売られ過ぎ感)が見られるものの、トレンドが明確に出ている状況下、安易な逆張り(ロング・エントリー)は危険と判断いたします。ファンダメンタルズ的に見ても、世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政悪化問題、米独関係悪化懸念、イランを巡る地政学的リスクなど、不安材料は山積みです。

また、欧米をはじめ各国中央銀行がハト派色を鮮明に打ち出す一方、日銀が「事実上のゼロ回答(追加緩和の可能性を滲ませつつも、副作用を警戒して具体的な手段に踏み込めない)」を続けていることも、「日銀の金融政策手詰まり感→追加緩和限界論の台頭→日本とその他各国との金融政策格差の縮小」との連想から、ドル円の上値を抑制する一因となっております。本日は米経済指標(6月新築住宅販売件数や6月CB消費者信頼感指数)の結果や、G20を前にしたヘッドラインに振らされつつも、上値の重い展開が続くと予想いたします。

予想レンジ:106.90-107.70

ドル円、イランへの追加制裁を科す大統領令署名で上値の重い展開

ドル円日足

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