<< 東京市場の動き >>
週明け24日の東京市場は、ドルが小じっかり。ただ、新規材料が乏しいこともあり、上値も限られた。
先週末に、米NBCテレビはトランプ大統領が「FRB議長は利上げを急ぎ過ぎて間違いを犯した」と述べたうえで、「議長を降格させる権利を持っている」と指摘したと報じている。またイラン情勢について、トランプ氏が「追加制裁を24日発動」とコメントする反面、イラン大統領は「米偵察機撃墜事件は新たな緊張の始まり」と述べるなど、対立構造が深まった感があるなか、週明けの為替市場は寄り付いた。
しかし、ドル円は107.25円レベルと、前週末NYクローズと大差ない水準でオープンし、週末ニュースの影響は結果、限定的。その後も、若干のドル高・円安が進むも、上値は107円半ばまで。終日を通した値幅は、30ポイントにも満たないレンジ取引に終始している。16時時点では107.40-45円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、ビットコインは、為替が休場となる先週末の土日も上昇止まらず。ついには10000ドルの大台をしっかり超えただけでなく、11000ドル台へと乗せてきた。ただ、本日の東京時間だけをみると、調整売りに押された格好で、10600ドルへ軟落する場面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
先週末には一時協議進展ムードも漂った米中関係だが、週末に人民日報が「国民や国際社会の利益を考慮し対中関税撤回を」としたうえで、「中国、対米貿易戦争を『最後まで』闘う用意」などと報じ、再び物議を醸す。そうしたなか、中国商務次官から「米中の貿易担当チームが次の段階について協議」、「米中首脳は重要ならびに共通の問題に関して議論する」との発言が聞かれていた。
そのほか単発モノとして、「トルコ市長選で野党候補が再勝利、政権に打撃」、朝鮮中央通信「米大統領が北朝鮮委員長に親書、金氏は満足感を表明」、プーチン露大統領「北方領土を日本に引き渡す計画なし」、米紙「女性作家、トランプ氏からの性的暴行を告白」、米大統領「イランへの追加制裁を24日発動」、「参院、安倍首相の問責決議案を否決」−−とする発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週にレンジの下限を割り込んだこともあり、リスクという点ではドル安方向にバイアスがかかるものの、短期的には先週安値の107.05円で一応の底を打ったとの指摘も聞かれ始めた。目先ドルは底堅く推移も。ただ、ドルの上値も重い状態が続きそうで、108円台までの戻りは果たしてどうか。しばらくは107円における時間調整、次の動意の方向性を探る展開となる可能性もある。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など継続案件は依然として多い。そうしたなか、先でも取り上げたトランプ氏が「イランへの追加制裁を24日発動」と発表したことによる「イラン情勢」、そして香港紙が「25日にも米中閣僚級協議が再開される」と報じた「米貿易問題」には、とくに要注意だ。また、一部からは週末に実施されるG20首脳会議をにらみ動きにくいとの指摘が聞かれるが、本日以降、連日のように重要な米経済指標が発表されるだけに、数字如何では思わぬ乱高下をたどる展開も考えられる。
テクニカルに見た場合、ドルの下値リスクを内包しつつも、足もとは若干落ち着いた動きに。実際、時間足など短期のチャートを見ると、ごく目先は107円台での一進一退をたどっており、時間調整ともいえる状況だ。107.05-75円という、形成しつつある現在のレンジが続くのか、それとも放れていくのか、まずはその攻防を注視したい。
ちなみに、割り込んだ場合には106円台突入が予想される反面、上抜けるようだと108円台回復がみえてくる。
一方、材料的に見た場合、本日は5月のシカゴ連銀全米活動指数や6月のダラス連銀製造業活動指数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。今週は週末のG20首脳会議をはじめ重要イベント目白押しだが、7月以降の米利下げの行方を見極める意味も含め、米経済指標の内容を注視が必要だろう。内容次第では、一時的にせよ波乱も。
また、トランプ氏が「イランへの追加制裁を24日発動」と発表したことによる「イラン情勢」も気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.00-107.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値圏である107円半ばが最初の抵抗。抜ければ107.75円や107.90円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の107.25円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば先週安値の107.05円が意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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