ドル円、一時急伸するもトランプ米大統領の「ドル安誘導」発言で再び反落(6/12朝)

11日の海外市場でドル円は伸び悩む展開。

ドル円、一時急伸するもトランプ米大統領の「ドル安誘導」発言で再び反落(6/12朝)

ドル円、一時急伸するもトランプ米大統領の「ドル安誘導」発言で再び反落

海外時間の為替概況

11日の海外市場でドル円は伸び悩む展開。@メキシコへの関税発動が見送られたことに伴うリスク回避ムードの後退と、A米5月生産者物価指数(結果0.1%、予想0.1%)が市場予想通りの結果に留まったことに伴う安堵感から、ドル円はNY時間序盤にかけて、一時108.81まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線(108.88)をバックにした「戻り売り」に上値が抑制されると、その後は、トランプ米大統領による「米国の政策金利は高過ぎる」との発言を通じた米10年債利回りの低下(2.178%→2.138%)や、米ダウ平均株価のマイナス転化が重石となり、NY時間午後にかけては、一時108.44まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、結局108.53でのクローズとなっております。尚、トランプ米大統領にによる「ドル安誘導」発言を受けて、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が「トランプ米大統領はドル下落を呼び掛けていない」と火消しする一幕も見られました。

一方、ユーロドル相場は底堅い展開。欧州時間序盤にかけて一時1.1302まで下落するも、1.13丁度の大台割れが阻まれると、トランプ米大統領による「米国の政策金利は高過ぎる」「ユーロとその他通貨は米ドルに対して下落するよう誘導されている」などのドル安誘導発言(※他国の通貨安批判を通じた実質的なドル安誘導)が支援材料となり、NY時間午後にかけて、1.1337まで上昇する展開となりました。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B33営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が意識されます。メキシコへの関税賦課見送りを背景に、リスク回避ムードが幾分後退してはいるものの、米中貿易摩擦や中東を巡る地政学的リスク、世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政問題など、ファンダメンタルズ面での不安要素を考慮すれば、ドル円の上値余地は限られそうです。

一目均衡表転換線が走る108.88付近では「戻り売り」が強まると見られ、事実昨日も108.81をトップに下落に転じる動きとなりました。トランプ米大統領がドル安誘導を企図する発言を行なったことも、「米長期金利低下→ドル売り」への連想から、ドル円の上値を抑制している状況です。本日発表される米5月消費者物価指数が伸び悩む結果となれば、「米インフレ指標鈍化→米早期利下げ観測高進→米長期金利低下→ドル売り」の経路でドル円が下げ足を速める展開も想定されます。トランプ米大統領のツイートや、米中・米墨貿易摩擦を巡るヘッドライン、米国経済指標の結果に振らされながらも、ドル安・円高の流れは続くと予想いたします。

ドル円、一時急伸するもトランプ米大統領の「ドル安誘導」発言で再び反落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る