<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場は、ドル堅調裡。とくに夕方にかけてドル買いが優勢となり、前日高値108.72円に接近している。
ドル円は、108.40円前後で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。108.35-50円といった狭いレンジ取引だったが、上抜けると、夕方にかけては前日示現した高値108.72円に迫るも108.65-70円までで、結局抜け切れず。16時時点では108.55-60円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、ビットコインは、これまでから一転して静かな値動き。東京時間に限れば、概ね7900ドル台での動きで、値幅はわずかに100ポイントにとどまった。ただ、市場筋のあいだでは、こうした平穏な相場は長く続かないとの見方が有力視されている。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易問題」について。
米国による「メキシコ関税」は実施延期が正式決定したものの、米国務長官から「移民政策不十分なら、メキシコ関税発動」としたコメントが聞かれるなど、火種は依然としてくすぶっていることが改めて示された。対して米中は、トランプ米大統領から「中国は長年通貨を切り下げてきた」、「中国国家主席がG20サミット欠席なら追加関税」などといった強めのトーンのコメントが発せられるなど、関係改善に警戒が必要だろう。
そのほか単発モノとして、「英保守党、メイ首相後任の党首選の立候補者10人を発表」、「ギリシャ大統領が首相の議会解散要請を受理、7月に総選挙」、朝鮮中央通信「北朝鮮、米国の『敵視政策』を批判」、「日米首脳が電話会談、イラン訪問前に意見交換」−−などといった発言やニュースが報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日東京時間の終盤にみせたレンジ上抜けの動きは、取り敢えず失敗した感があるものの、下値も堅い。そして、本日東京時間に再び上値トライの機運をうかがわせている。「2度目の正直」となるのか否か、動静には注意を払いたい。上抜けた場合には、一目均衡表の転換線が位置する108.85-90円や109円レベル、あるいは移動平均の25日線が位置する109.30円レベルなどがターゲットに。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」など注目要因は数多い。ただ、強弱材料が交錯しているおり、決定打にも欠ける。動きがもう少ししっかりするまで、綱引き状態が続く可能性もありそうだ。なお、そうしたなか11日まで実施される「日米通商交渉実務者協議」、そして13日の「第一回・保守党党首選投票」に向け10人の候補が正式決定した英国情勢などに注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、108.70円前後にドルの上値の重さを感じる反面、下値も堅く、108.30円レベルがなかなか強いサポートに。昨日早朝に空けた下方向、108.20-30円のギャップはまだ残存しており、それが気掛かりだが、リスクという点では上方向にバイアスか。再チャレンジで108.70円レベルをしっかり超えれば、109円台乗せも見えてきそうだ。
一方、材料的に見た場合、5月の生産者物価指数という米経済指標が発表されるほか、米財務省による3年債入札が実施される予定となっている。米利下げ観測が高まっていることもあり、米経済指標の内容に関心が高いことは無論のこと、先週には米入札が不調に終わり、それがドル買い要因になったという前例があることから、後者についても警戒感を抱く参加者は決して少なくない。
そのほか、英政治情勢のほか、7月に「前倒し総選挙実施」が決定したギリシャ情勢など欧州ファクターも気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.10円。ドル高・円安方向は、昨日記録したドルの戻り高値108.72円の攻防にまずは注視。抜ければ、転換線が位置する108.85-90円や109円レベルなどを目指す。
対するドル安・円高方向は、引き続き埋め切れていない108.20-30円レベルの下値ギャップが最初のドル下値メド。底堅いイメージだが、ギャップをしっかり割り込んでなお下げるようだと、再び108円台を割り込む可能性も。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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