来週の為替相場見通し 『リスク回避ムード再燃でドル円は109円割れが射程圏内』(5/25朝)

ドル円は、週半ばにかけての上昇局面において重要チャートポイントが密集する110円台半ばから後半を抜け切れず反落に転じました。

来週の為替相場見通し 『リスク回避ムード再燃でドル円は109円割れが射程圏内』(5/25朝)

来週の為替相場見通し 『リスク回避ムード再燃でドル円は109円割れが射程圏内』

5/20−5/24の振り返り

5/20週のドル円相場は、週初110.14で寄り付いたあと、米商務省による、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)向け禁輸措置を既存のネットワークやスマホの保守などに限って3ヶ月間(8/19まで)の猶予期間を設けるとの報道を材料に急伸すると、『ファーウェイ問題を巡る懸念の緩和→IT・ハイテク株を中心に米株急伸→世界的な株価押し上げ→リスク回避ムードの後退→円売り』への連想から、一時110.68まで上値を伸ばしました。しかし、重要チャートポイントが密集する110円台半ばから後半付近では上値も重く、伸び悩むと、@OECD(経済協力開発機構)による2019年世界経済成長率見通しの下方修正や、Aトランプ米大統領による監視カメラ最大手の中国ハイクビジョン社(杭州海康威視数字技術)への禁輸措置検討報道、Bムニューシン米財務長官による「現時点でまだ訪中する予定はない」との発言などが重石となり、ドル円は110円の大台を割り込む展開となりました。

その後も、C米5月製造業PMI(結果50.6、予想52.6)や、D米5月サービス業PMI(結果50.9、予想53.5)、E米4月新築住宅販売件数(結果67.3万件、予想67.5万件)、F米4月耐久財受注(結果▲2.1%、予想▲2.0%)など一連の米経済指標が市場予想を下回る中で、『米中対立激化→世界的な景気後退懸念→世界的な株安・債券高→リスク回避の円買い』への波及が続き、米10年債利回りが一時2.29%と2017年10月以来の水準まで低下すると、ドル円も、7営業日ぶり安値となる109.28まで急落し、そのまま安値圏109.31で越週しました。

一方、ユーロドル相場は週初1.1158で寄り付いたあと、@週末に控える欧州議会選挙でのEU懐疑派躍進への警戒感や、A欧州経済を巡る先行き不透明感の高まり、Bイタリアの財政悪化問題などを背景に上値の重い展開が継続しました。C5/23に発表されたユーロ圏5月製造業PMI(結果47.7、予想48.1)や、Dユーロ圏5月非製造業PMI(結果52.5、予想53.0)、Eドイツ5月Ifo景況感指数(結果97.9、予想99.1)など一連の欧州経済指標が軒並み冴えない結果となる中、年初来安値1.1111を割り込み、一時2017年5月以来、約2年ぶり安値となる1.1108まで下げ幅を広げる場面も見られました。しかし、 心理的節目1.11割れを目前に下げ渋ると、米中貿易摩擦の激化や冴えない米経済指標を受けたドル売りが支援材料となり、週末にかけては、週間高値1.1215まで急反発し、結局1.1204での越週となっております。

5/27−5/31の展望

ドル円は、週半ばにかけての上昇局面において、一目均衡表雲下限(110.86)や、90日移動平均線(110.75)、一目均衡表基準線(110.71)、21日移動平均線(110.47)など重要チャートポイントが密集する110円台半ばから後半を抜け切れず反落に転じました。5/13に付けた安値109.02を起点に始まった短期上昇トレンドはわずか8営業日で幕を閉じた格好となります。米中対立激化や中東を巡る地政学的リスク、英国情勢の不安定化、欧州経済を巡る先行き不透明感など、ファンダメンタルズ的な不安要素がドル円・クロス円の上値を抑制する展開が続いております。

オシレータ系指標のRSIが再び30%付近まで低下しつつありますが、トレンドが明確な現状下、安易な逆張りは危険と判断いたします。米中貿易摩擦を巡るヘッドラインや、トランプ米大統領の訪日(5/25から5/28まで)、遅延中の米為替報告書の公表などに留意しつつも、ユーロ円や英ポンド円など、クロス円が総崩れとなる中、ドル円の下落トレンドは当面続くと予想いたします。米長期金利低下に伴うドル売りと、リスク回避ムード再燃に伴う円買いのダブルパンチが見込まれる中で、来週のドル円相場は早々に直近安値109.02を試す動きとなりそうです。

来週のユーロドル相場は、米長期金利の動きを睨みながらも「戻り売り」優勢の展開が予想されます。@米中貿易摩擦の激化が欧米貿易摩擦へ波及するリスクや、Aユーロ圏経済の下振れ懸念、Bイタリアの財政悪化問題、CECBによる金融緩和長期化観測に加えて、足元では、D英国情勢の不安定化や、E欧州議会選挙でのEU懐疑派台頭への警戒感など、潜在的なユーロ売り材料が増えつつあります。来週27日に予定されているドイツの4月小売売上高や、28日のユーロ圏欧州委員会景況指数、31日のドイツ5月消費者物価指数が市場予想を下回る結果となれば、「欧州経済の先行き懸念→ECBによる金融緩和長期化観測→欧州金利の更なる低下」といった波及経路でユーロドルが一段と押し下げられるシナリオも想定されます。当方では引き続き、「ユーロ安・ドル高」をメインシナリオとし、4月後半以降、複数回止められている1.12台半ば付近では「戻り売り圧力」が強まる展開を予想いたします。

ドル円の予想レンジ:108.25−110.75
ユーロドルの予想レンジ:1.1050−1.1300

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