米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(2019年4月30日・5月1日開催分)

昨日(22日)、FOMC議事要旨が公表されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(2019年4月30日・5月1日開催分)

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

昨日(22日)、FOMC議事要旨(2019年4月30日・5月1日開催分)が公表されました。
以下は要旨内の一部分を訳していますのでご了承ください。

FRBメンバーの経済見通し及び金融政策の決定

(バランスシート正常化について)
スタッフは2つのシナリオを作成
満期が到来した国債については
(1)現状のポートフォリオ構成と同じ年限の債券で構築すること
(2)満期が3年かそれ以下の短い債券を購入して入れ替えること。

スタッフはこれらのシナリオで長期債のイールドにどの様に影響を与えるかのシナリオも用意した。但し、このシナリオでも、どの位イールドに影響を与えるかは不確実であることもスタッフは付け加えている。また、スタッフの分析で、年限を短くすると、タームプレミアムに上昇圧力が加わり、ベースとなっている経済見通しと同じ様なマクロ経済の結果を得るためにFFレートをそれに合わせて軌道修正する必要があることを含んでいると分析している。
これらをベースに委員会で議論した。
多くの参加者は短い債券への移行はFFレートを下げ、経済が下降した時にはその効果が有用であることを確認した。幾人かの参加者は目標とする(年限の)債券構成が、経済ショックなど起きた場合に対応してFFレートの目標レンジを変えて行こうとする委員会の約束に、結果的に沿ったものであることが求められるとした。

(スタッフの経済見直し)
・4月30日、5月1日までに得られた情報をベースにすると、労働市場は依然強い状態を維持し、第1四半期のGDPは底固い推移で伸びた。
・家計支出や企業の固定投資は緩やかだが上昇した。ここ数ヶ月のCPIは下落し、3月は2%を下回った。
長期のインフレ見通しは変わっていない。
・鉱工業生産が3月下落し、製造業は緩やかに下落した。これは自動車やその部品の低下の影響。
鉱山生産も下落した。但し、自動車生産計画を見ると、軽自動車は近々上昇する見込み。
・居住用住宅投資は下がった。これは新築の1人用住宅着工の減少の影響を受けている。


(スタッフの金融市場見通し)
・投資家のセンチメントは改善した。株価は上がり、社債スプレッドは縮小した。
企業や家計の借入状況は緩和した。
・3月のFOMC時点では、市場はFFレートが緩やかに下がるとの見込みだった。今後の2〜3回のFOMCでも緩やかな下げ予想だが、幾分フラットになってきた。市場参加者は今後のFOMC会合でFFレートが上げより下げの可能性を見ている。

(スタッフの経済見通し)
・在庫投資の拡大、純輸出の伸びなどで、第1四半期のGDPは減速見込みから堅調な推移となった。
・これによりGDP見通しを上方に修正した。2019年と2020年の成長は当初の予想よりは拡大すると見ており、2021年に潜在成長率よりは減速するとした。
・雇用はスタッフ予想よりも改善の度合いが早く、2020年末に底打ちを予想。
これにより雇用の下方圧力は少なくなり、これまでの予想よりも強い労働参加率になるとみている。
・インフレは幾分下方修正。これは最近の消費者物価下げの影響。
・アップサイドリスクは、雇用改善により家計消費や企業投資が想定以上に伸びること。
ダウンサイドリスクは昨年以降の弱い経済指標で、貿易政策の先行きや海外の景気低下である。

(委員会の金融政策アクション)
経済見通しの議論を通じ、メンバーは金融市場が昨年末以降改善し、まだリスクが残ってはいるが多くの不確実性が減退した。堅調な成長の伸びや労働市場の改善にも関わらず、インフレ圧力は低い。経済活動の持続的拡大は継続とすると予想。インフレは目標とする2%に近付くとみている。これらを鑑み、委員会はFFレートの将来の変更を決定するまでは辛抱強く待つことを確認した。

(金融政策投票者):パウエルFRB議長、ジョン・ウィリアムズ、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、ジェームス・ブラード、リチャード・クラリダ、チャールズ・エバンス、エスサー・ジョージ、ランダル・クォールズ、エリック・ローゼングレン

全員一致で合意し、金融政策に反対する投票はなし。
(上記出所:FRB HP)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

ドル円相場は新味ないFOMC議事要旨にほとんど反応しませんでした。
相場は5月初旬のトランプ発言で年初からの緩やかなドル高トレンドを下抜き、先週13日、109円の底値から反発調整しています。高値からの抵抗線が110円60銭、底値からのサポートが109円60銭にあるので、この1円幅で今後も収斂続けるか、レンジを抜けるかのタイミングにいます。
仮に上抜けても111円10銭〜20銭、年初からの抵抗線(4月末までのサポート)が111円40銭にあるので、後者を上抜けていかないとドル堅調地合いに戻れません。一方で下値を切ると、109円でダブルボトム、更に下抜けると107円60銭方向の余地がでてきます。
(2109年5月23日10:40、1ドル=110円15銭、1ユーロ=1.1150ドル)

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