ドル円、リスク回避ムード一服でひとまず反発
海外時間の為替概況
14日の海外市場でドル円は反発。トランプ米大統領による「中国との協議は成功すると思う」「それは3-4週間後に分かる」等の楽観的な発言が切っ掛けとなりました。ドル円は109台半ばを回復すると、「米中貿易摩擦を巡る緊張緩和→米主要株価指数の上昇→リスク回避ムードの後退」との連想からショートカバーが優勢となり、NY時間には一時109.78まで上値を伸ばす場面も見られました。もっとも、同水準では上値も重く、前日高値109.81を前に伸び悩むと、引けにかけて再び反落。結局、109.60付近でのクローズとなっております。
一方、ユーロドル相場は急反落。欧州時間序盤に発表されたドイツ5月ZEW景況感指数(結果-2.1、予想5.0)が市場予想を下回ったことで、「欧州景気の先行き懸念→ECBによる金融緩和長期化観測」への連想からユーロドルは大きく下落しました。イタリアのサルヴィーニ副首相が雇用支援を目的に財政拡大方針を表明したことも、イタリアの財政悪化懸念を通じて、ユーロドルの上値を抑え、NY時間引けにかけては、約1週間ぶり安値となる1.1201まで下げ幅を拡大しました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、109.03をボトムに切り返しましたが、上値は相応に重たい印象です。トランプ米大統領による楽観的な発言を受けても尚110円台回復には至りませんでした。テクニカル的に見れば、強い売りシグナルを表す三役逆転(日足)や、強い下落トレンドを示唆するボリンジャーバンド下限でのバンドウォークが継続しており、米中貿易摩擦に端を発したドル安・円高トレンドは引き続き継続中と整理いたします。上値には、@心理的節目110.00や、A一目均衡表雲下限(110.30)、B一目均衡表転換線(110.35)など重要チャートポイントが複数並んでおり、米中貿易摩擦を巡る懸念がある程度解消されない限り、同水準の突破は容易ではなさそうです。
一方、下値目処としては、C13日に記録した安値109.03や、D1/3安値(年初来安値)と4/24高値(年初来高値)を起点としたフィボナッチ半値押し(108.69)、E1/31安値(108.49)、F1/10安値(107.77)などが視野に入ります。オシレータ系インジケーターのRSIは引き続き30%台前半で推移しておりますが、トレンドが明確に出ている状況下、安易な逆張りは危険と判断致します。昨日のショートカバーによってポジションは相応に軽くなった印象もあることから、109円台半ばから後半では新規の「ショート」が作られ易い状況とも言えます。本日はドル円の反落リスクに警戒が必要でしょう。
オーダー/ポジション状況
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