<< 東京市場の動き >>
3日の東京時間にドル円は横ばい。111円半ば、20ポイント程度のレンジ取引で、動意も方向性も乏しかった。
ドル/円は111円半ばで寄り付いたものの、東京や中国市場が引き続き休場になったうえ、新規材料に欠け売買は全般的に手控えムード。111.40-55円といった、ほぼ横ばいに近い値動きをたどり、16時時点では111.50-55円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、ドル/円だけでなく為替市場全体が値動き乏しいなか、仮想通貨ビットコインは堅調裡。早朝5400ドル台だったものが夕方には5600ドル手前まで、100ドルを超える上昇となった。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」について。
1日まで実施されていた米中協議について、中国共産党系の環球時報が「中国と米国の貿易協議、袋小路か」などと指摘、進展に疑問を投げかけている。ただ、米商工会議所のブリリアント副会頭は、「協議が大詰めを迎えている」との見方を示したうえで、「中国政府の産業補助金で一定の譲歩もやむを得ない」との考えを述べていた。
そのほか単発モノとして、「ムーア氏、FRB理事候補を辞退」、産経新聞「安倍首相、無条件で日朝首脳会談実施の考えも」、中央日報「菅官房長官、来週NYで北朝鮮側と接触も」、米国防総省が報告書発表「中国が台湾へ外交・軍事で圧力との見解示す」−−との報道などが観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週から今週にかけ、上下ともにレンジブレークを試したが結局抜けきれず。結果、111円半ばを中心に、次の方向性を探るといった展開となっている。足もとのような111円台を中心とした展開が続く可能性も否定できないが、本日はNY時間に注目材料を控えているだけに予断許さず。いずれにしても、ドル/円は長期にわたる小動きで、次の動意に向けたエネルギーはだいぶ蓄積されている。一度レンジを抜ければ、一気に値が飛ぶような荒っぽい変動にも一応注意しておきたい。
材料的に見た場合、今週は週間を通して「米中貿易協議」や「FOMC」などが注視されていたが、それらを消化。市場は本日NY時間に発表される「米雇用統計発表」に関心が移行している。なお、その米雇用統計だが、1日発表された「関連性の高い」とされる先行指標、ADP雇用統計は予想よりも良好だったことで、強気の見通しが有力視されている。市場でもっとも注視される非農業部門雇用者数の事前予想値はプラス19万人ほどと、前月比ほぼ変わらずだが、一部では20万人超の予想も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、4月末からのここ数日、値動きがまったくないわけではないものの結局はレンジ内。実際、先週末4月26日以降、1週間程度は111.00-112.00円の1円レンジにとどまっている。
短期的には方向性は乏しいと言わざるを得ないが、リスクという意味では下方向の予想が減退する反面、上方向の見通しを広がってきたように感じている。直近高値の112円レベル、そして年初来高値112.40円をしっかり超えれば、113円台回復なども否定できない。
一方、材料的に見た場合、4月の雇用統計や同ISM非製造業景況指数など幾つかの重要な米経済指標が発表されるほか、欧米企業の決算発表も予定されている。当然、それらは要注意。
また、クラリダFRB副議長やウィリアムズNY連銀総裁による講演も相次ぐ。良好な米経済指標が発表された場合、一部からは「利上げ支持論」などがでる可能性も指摘されており、その際には、ここ最近の動きからしてドル高に振れることもありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.00-112.00円。ドル高・円安方向は、昨日記録した高値111.66円の攻防にまずは注視。超えてくれば、4月29日高値111.90円や112円レベルなどがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値111.00-05円がサポートとして強く意識されている。割り込めば4月安値110.82円などが意識されそうだ。(了)
ドル円15分足
オーダー/ポジション状況
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