ドル円 上下ともトライ失敗、レンジ取引続く公算(5/2夕)

2日の東京市場は、ドルが小高い。早朝を安値に一時111.70円近くまで値を戻す局面も観測されていた。

ドル円 上下ともトライ失敗、レンジ取引続く公算(5/2夕)

ドル円 上下ともトライ失敗、レンジ取引続く公算

2日の東京市場は、ドルが小高い。早朝を安値に一時111.70円近くまで値を戻す局面も観測されていた。

ドル/円は寄り付いた111.30円レベルを日中安値にドルがしっかり。東京や中国市場の休場で商いが薄いなか、111.70円近くまでドルはじりじりと値を上げている。日経平均先物などが堅調推移したことが好感されていたという。
しかし、高値を示現後はやや冴えず、111.50-60円といったレンジ取引に。16時時点では、111.55円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易協議」について。
1日まで実施されていた米中協議について、出席していたムニューチン米財務長官は「実りある協議が出来た」と述べたものの、「来週もワシントンで協議継続」などとしただけで詳細は語らず。しかし、ポリティコ「中国製品の一部関税撤廃で合意に近づく」、英紙FT「米、中国へのサイバー攻撃停止要求を取り下げ」、時事通信「合意検証や関税撤回で難航か」といった関連報道がいくつか観測されていた。
そのほか単発モノとして、「トランプ政権、国境の移民対応で議会に45億ドル要求」、「FRB、FOMCで金利据え置き決定、同時に利下げの必要性を否定」、「米国防長官代行、ベネズエラ危機対応のため欧州歴訪中止」、北メディア「北朝鮮、韓国による新天皇即位祝電を強く非難」、韓国外相「徴用工訴訟に政府は関与せず」−−との発言や報道が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は結局元の木阿弥。昨日欧米時間に111円前後まで下落したが割り込めず、その後は米FOMCを受け111円半ばへと値を戻す展開となった。また、本日アジア時間などもドルは底堅い。先日終了した4月相場は、日々のNYクローズが111円台あるいは112円前半になるという、ある種の「異常事態」、かなりの小動きをたどっていたことが明らかになっているが、そうした傾向は足もとの5月以降もまだ続いているようだ。
材料的に見た場合、今週の注目材料である「米中貿易協議」や「FOMC」は取り敢えず消化、最後の「米雇用統計発表」へと市場の関心が移行している。ちなみに、昨日発表された「関連性の高い」とされる先行指標、ADP雇用統計は予想よりも良好で、それを受けて本家・米雇用統計についても強気の見方が広がってきた。FRBが昨日「利下げの必要性を否定」したこともあり、雇用統計が好数字になれば、ドルがさらに買い進まれる展開も否定できなくなる。

テクニカルに見た場合、4月末からのここ数日はなかなかの乱高下をたどっているものの、結局はレンジ内。事実、値幅だけを見ると、111.00-112.00円の1円レンジにはとどまっている。引き続き、足もとの111円台を中心としたボックス圏を、上下どちらにしっかりと抜けていくのか、その方向性が注視されていることは間違いない。ただ、予断は許さないが、昨日のFOMCなどを受け、懸念されていた正月のような「フラッシュクラッシュ(瞬間的暴落)」を予想する向きは、だいぶ減少しているようだ。

一方、材料的に見た場合、3月の製造業受注や同耐久財受注など幾つかの米経済指標が発表されるほか、欧米企業の決算発表も予定されている。明日に注目の米雇用統計発表を控えているものの、ここ数日は発表される米経済指標が相場の変動要因となっているだけに、本日も一応の注意を払いたい。
なお、来週7日か8日とされる英与野党幹部によるEU離脱会合に向けた、英国情勢が再び関心を集め始めている。実際、昨日も情報漏えいめぐり、「メイ首相がウィリアムソン国防相を更迭」するなど、不穏な雰囲気が漂っている感が否めない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.10-111.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の111.65-70円の攻防にまずは注視。超えてくれば、4月29日高値111.90円や112円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値111.00-05円がサポートとして強く意識されている。割り込めば4月安値110.82円などが意識されそうだ。(了)

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