4/22−4/26の振り返り
4/22週のドル円相場は、年初来高値更新後に急落するなど、総じて値動きの荒い1週間となりました。週前半は、イースターマンデーで市場参加者に乏しい中、狭いレンジ内での膠着相場が見られましたが、週央にかけてドル独歩高の地合いが強まると、ドル円も連れて年初来高値(112.17)を突破し、一時約4ヶ月ぶり高値となる112.41まで上値を伸ばしました。もっとも、同水準では戻り売り意欲も根強く、続伸が阻まれると、本邦大型連休を前にした円高警戒感も加わり、ドル円は俄かロングのロスカットを巻きみながら急反落。米主要株価指数の下落や、クロス円の下落も重石となる中、約2週間ぶり安値となる111.39まで下げ幅を広げました。週末にかけては、米国の第1四半期GDP速報値のヘッドラインの上振れを受けて一時112円ちょうど近辺まで反発する場面も見られましたが、すぐに111.50割れへと押し戻されるなど、上値の重さを印象付けるプライスアクションが見られました。引けにかけて揉み合った後、結局111.60近辺で越週しております。
一方、ユーロドル相場は、週を通して軟調な動きが継続しました。週初はイースターマンデーで市場参加者に乏しい中、一時1.1264近辺まで上昇する場面も見られましたが、好調な米経済指標を受けた「ドル買い」と、冴えないドイツ・Ifo景況感指数を反映した「ユーロ売り」が重石となると、週央にかけて急反落。年初来安値1.1176の下抜けに成功すると、米第1四半期GDP速報値のヘッドラインの上振れ直後には、2017年5月以来、約1年3ヶ月ぶり安値となる1.1113まで下げ幅を広げました。引けにかけて反発するも上値は重く、結局1.1150近辺での越週となりました。
4/29−5/3の展望
ドル円は週央にかけて年初来高値を更新し、トリプルボトム(逆三尊)の形成や、一目均衡表三役好転など、上昇モメンタムを強めましたが、週後半にかけてこうした動きが逆流し、これまでサポートとして機能してきた200日移動平均線(111.50)を割り込むなど、地合いの急激な変化が見られました。もっとも、ドル高地合いそのものに変化があった訳ではなく、ドル高を通じた「クロス円の売り」が、「ドル円の下落」に波及した格好です。こうした動きの背景には、本邦大型連休を前にした円高警戒感の高まりが挙げられるでしょう。ゴールデンウィーク期間中に円高が進むとの統計学的な根拠はありませんが、Sell In Mayの格言通り、5月にセンチメントが悪化するといった不安感が先行している可能性があります。
特に今年は本邦正月期間中の1月にドル円が約5円程度フラッシュクラッシュした経緯もありますので、休暇前にドル円やクロス円のロングポジションを閉じておきたいとのインセンティブに繋がったと推察されます。来週は、4/30から5/1にかけての米FOMCや、5/1の米ISM製造業景況指数、5/3の米雇用統計など注目材料が目白押しとなりますが、余程弱いドル売り材料が出てこない限り、「ドル高」トレンドは変わらないと予測いたします。特にパウエル議長が記者会見で最近の良好な米経済指標を踏まえて、年後半の米経済の回復に自信を滲ませた場合、米長期金利の上昇に伴ってドル高が一段と加速する可能性もありますので警戒が必要です。但し、ドル高や米金利の上昇は、株価や商品市況、新興国通貨の下落を通じてリスク回避的な動きをもたらす点には留意しておかなければなりません。今週見られたように、ドル高がクロス円の下落を通じてドル円を押し下げる可能性があるからです。来週は本邦大型連休中のフラッシュクラッシュへの警戒感から、ドル安・円高が進行すると予測いたします。
一方、ユーロドルは続落する可能性が高いと予測いたします。欧米貿易摩擦の激化を背景に、景気見通しの先行き不透明感が高まっていることが背景です。4/30に発表されるユーロ圏第1四半期GDP速報値や、5/2のユーロ圏製造業PMI、ドイツ製造業PMIなどが冴えない結果となれば、「欧州経済の先行き懸念の高まり→ECBによる金融緩和の再開観測→欧州金利の低下」といった波及経路を通じて、ユーロドルが心理的節目1.10を試す動きも想定されます。来週はユーロドルのダウンサイドリスクに特に警戒が必要でしょう。
ドル円の予想レンジ:110.00−112.50
ユーロドルの予想レンジ:1.1000−1.1250
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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