ドル円見通し 4月25日未明に急伸・高値更新、ドル全面高背景に112円台序盤の壁破るか?(4/25)

24日夜には111.68円まで下げてさらに安値を切り下げかけたが安値更新を踏みとどまってその後に急伸して112.39円まで一挙に高値を切り上げた。

ドル円見通し 4月25日未明に急伸・高値更新、ドル全面高背景に112円台序盤の壁破るか?(4/25)

【概況】

4月17日高値で112.16円への上昇、3月5日高値112.12円を突破して1月3日以降の高値を更新した。3月25日安値を中心として日足は逆三尊型を形成してからの高値更新だったため、1月3日からの上昇波動が3月5日までを一段目とし、3月25日から二段目の上昇に入ったと思われる推移だったのだが、17日以降は伸び悩んだために一段高入りには待ったがかかった状況にあった。
4月13日から17日へ高値を切り上げ、4月16日安値から18日安値111.76円へ安値も切り下がっていたため60分足レベルではレンジ拡張型の逆三角持合いの様相だったが、23日に111.65円まで安値をさらに切り下げ、23日夜の戻りでも112円台を維持できずに失速したため、レンジ拡張での往来に高値更新へ進むことに失敗した感があった。24日夜には111.68円まで下げてさらに安値を切り下げかけたが安値更新を踏みとどまってその後に急伸して112.39円まで一挙に高値を切り上げた。

【ドル全面高にドル円も押し上げられた】

4月23日にユーロが急落してからドル全面高に進み始めたが、24日もさらにドル高が進んだ。午前中にオーストラリア連邦統計局が発表した第1・四半期の消費者物価伸び率が3年ぶりの低さとなったために豪ドルが急落した。夕刻に発表された4月のドイツIFO景況指数は99.2となり前月の99.7から低下してユーロ売りがさらに加速、深夜の一段安により年初来及び2018年2月以降の安値を更新した。
24日夜はカナダドルが下落した。カナダ中銀は政策金利を据え置いたが、将来の利上げの必要性を巡る文言を削除し、2019年の成長見通しを従来の1.7%から1.2%へ大幅に下方修正した。このためにカナダ中銀の利下げ観測が浮上してカナダドルが下落した。
豪ドル、NZドルも25日が祝日休場のために売り急がれ、ドル全面高のなかで夜間も続落した。

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は4月23日に97.78まで上昇して昨年12月高値を突破し、2018年2月底以降の高値を更新したが、24日も98.19まで続伸した。昨年11月以降は98手前を抵抗とした高値圏持ち合いの様相だったがこの連騰で持ち合いを上放れして一段高入りしてきている印象だ。
ドルが強いというよりも他が弱い。ユーロドルも3月に安値を更新した後は下げ渋っていたが、再び安値を更新したことによる昨年11月以降の安値圏持ち合いから転落した。特にドイツの製造業系の景況感悪化が目立ち、景気後退感が強まっている。米連銀の年内利上げ棚上げによる米長期金利低下の影響よりも独10年債利回りの低下が目立ち、本来ならドル売り材料があるところでドル高ユーロ安が進んでいる。NZドルも4月17日の四半期CPIが予想を下回ったことで下落が加速したが豪ドルも24日の四半期CPI鈍化で売られておりオセアニア通貨安が進んでいる。カナダドルも下げたことで資源通貨及び新興国通貨への売り圧力も高まってきた。これら投機通貨の弱さがドルを相対的に押し上げている。

ドル高に対しては、クロス円での円高が拮抗すればドル円は横ばいに止まるか、景気後退感やリスク回避感が強まればドル円においても円高が勝る事も考えられるが、25日未明の反応はドル全面高に背中を押され、薄商いのなかで連鎖的に上昇したというところだろうか。
欧米、カナダやオセアニアの長期金利低下が続けばドル円もドル高を根拠としては上昇継続してゆくのも躊躇されるところもあると思われる。日米財務相会談、首脳会談、米中通商協議の再開、FOMCと米雇用統計、GWの大型連休中には重要イベントも続く。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

4月13日と17日の高値切り上げラインの延長線上に25日早朝高値が到達して失速している。23日の安値は16日と18日の安値切り下がりラインの延長線に到達して下げ止まった。23日安値と24日深夜安値はほぼ同値でダブル底気味ともなっている。概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、4月17日午前高値を直近のサイクルトップ、18日午後安値を同サイクルボトムとし、18日安値割れからは底割れによる新たな弱気サイクル入りと想定していたが、23日午前安値で18日安値を割り込んだものの23日深夜高値で18日安値以降の高値であった18日夜高値をわずかに超えたため、24日朝時点では4月16日安値から5日目となる23日午前安値を直近のサイクルボトムと改めた。また底割れ回避の内は23日夜高値超えを条件に24日の日中から25日夜にかけての間への上昇余地ありとし、23日午前安値割れからは底割れによる新たな弱気サイクル入りとした。

24日深夜への下落で底割れを回避して反騰したため、23日安値をサイクルボトムとした強気サイクルの範囲にあると思われるが、25日早朝高値で既にサイクルトップをつけた可能性もある。112円を維持するか割り込んでも早々に切り返す内は高値更新よりありとみるが、112円割れから続落の場合は弱気サイクル入りの可能性を優先して23日安値試しへ向かいやすくなるとみる。

60分足の一目均衡表では25日早朝の上昇で遅行スパン及び先行スパンが好転した。新たな高値更新へ進めないと遅行スパンが悪化してくる点に注意するが、高値更新の場合は遅行スパンの好転状態も継続しやすくなる。遅行スパン好転中は高値試し優先とし、112円割れからは弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からは下げ再開と考える。

60分足の相対力指数は23日午前の急落で20ポイント台序盤まで急落したが、24日深夜への反落場面では相場がフラットだったのに対して指数のボトムが切り上がる強気逆行となった。80ポイント手前へ急伸したため買われ過ぎ警戒感ありとし、50ポイントを超える内は上昇余地ありとするものの50ポイント割れからは下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112.00円を下値支持線、4月25日早朝高値112.39円を上値抵抗線とする。
(2)112円を上回るか一時的に割り込んでも回復する内は高値更新余地ありとみる。高値更新の場合、4月17日から23日への下げ幅の倍返しでV計算値が112.67円、4月11日から17日への上昇幅並とするN計算値が112.98円となるので112円台後半を目指すとみる。ただし、既にトップアウト警戒期として112.50円以上は反落警戒圏とする。
(3)111.90円割れからは下げ再開と仮定して23日安値111.65円試しへ向かうとみる。また111.90円以下での推移が続く場合は25日夜へ続落しやすいとみる。

【当面の主な予定】

4/25(木)
休場 豪、NZ
未 定 (日) 日銀金融政策決定会合2日目 金融政策発表
未 定 (日) 日銀展望レポート
15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
20:00 (ト) トルコ中銀、政策金利 (現行 24.00%、予想 24.00%)
21:30 (米) 3月 耐久財受注 前月比 (2月 -1.6%、予想 0.8%)
21:30 (米) 3月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (2月 0.1%、予想 0.2%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 19.2万件、予想 20.0万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 165.3万人、予想 169.9万人)

4/26(金)
07:45 (NZ) 3月 貿易収支 (2月 0.12億NZドル、予想 1.16億NZドル)
08:30 (日) 3月 失業率 (2月 2.3%、予想 2.4%)
08:30 (日) 3月 有効求人倍率 (2月 1.63、予想 1.63)
08:30 (日) 4月 東京都区部消費者物価指数・生鮮食料品除く 前年同月比 (3月 1.1%、予想 1.1%)
08:50 (日) 3月 小売業販売額 前年同月比 (2月 0.4%、予想 1.0%)
08:50 (日) 3月 鉱工業生産速報値 前月比 (2月 0.7%、予想 0.1%)
08:50 (日) 3月 鉱工業生産速報値 前年同月比 (2月 -1.1%、予想 -3.8%)
10:30 (豪) 1-3月期 生産者物価指数 前期比 (前期 0.5%)
10:30 (豪) 1-3月期 生産者物価指数 前年同期比 (前期 2.0%)
14:00 (日) 3月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (2月 4.2%、予想 4.4%)

21:30 (米) 1-3月期 GDP速報値 前期比年率 (前期 2.2%、予想 2.0%)
21:30 (米) 1-3月期 GDP個人消費速報値 前期比 (前期 2.5%、予想 1.1%)
21:30 (米) 1-3月期 コアPCE速報値 前期比 (前期 1.8%、予想 1.3%)
23:00 (米) 4月 ミシガン大学消費者信頼感指数 確報 (速報 96.9、予想 97.0)

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