<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は、小動きながらもドルが小安い。値幅は25ポイント程度にとどまるなど決して大きくなかったが、夕方にかけて値を下げている。
ドル/円は111.85円前後で寄り付いたのち、仲値にかけてはドルが小じっかり。一時112円近くまで上昇したものの続かず、高値を示現後は逆に下値を試す展開をたどっている。前日比プラス圏で寄り付いた日経平均株価がマイナス圏へ転じたことを材料に、リスク回避の動きも観測されていた。夕方には111.75円レベルまで値を下げ、16時時点ではそのまま日中のドル安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、本日の為替市場で大きく変動した通貨は豪ドル。対円では、早朝の79円半ばから1円程度の下落をたどっていた。発表された豪経済指標、消費者物価指数が予想を下回り、それが嫌気されていたという。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
日米交渉について、前日に米専門誌が「米団体、日米交渉で農産品関税の早期下げを要求」と報道、米中はクドロー米NEC委員長から「通商交渉の行方を慎重ながらも楽観視している」との発言が聞かれていた。また、そうしたなか日程が決まっていなかった米中協議に関し、米ホワイトハウスは「北京での貿易協議は4月30日に開始する」と発表している。
そのほか単発モノとして、米紙WSJ「ソフトバンクの孫正義氏、ビットコイン投資で1.3億ドルの巨額損失」、英紙FT「ドイツ銀とUBSの資産運用部門が合併協議」、地元メディア「スリランカ首相は新たなテロの危険もあると発言」、米司法省「中国のGE技術窃取を『国家ぐるみ』と非難」−−といった報道が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
欧米勢がようやくイースター休暇から戻ってきており、為替市場も以前よりアクティブには動くようになってきたものの、ドル/円はレンジ取引から脱却できない。明確な方向性は乏しく、どちらに動いても不思議はないが、112円台の上値の重さはかなりのもの。かつポジションの偏りを考慮すれば、若干下方向のリスクが高いか。111円半ばに位置する移動平均の200日線をめぐる攻防などに注意を払いたい。
材料的に見た場合、「米貿易問題」を引き続き注視している向きが少なくない。そうしたなか、25日には日米財務相会合や「茂木再生相とライトハイザー米通商代表部代表と会談を行う」ことが明らかになっているほか、なんと同日には別途「露朝首脳がウラジオストクで会談実施」、「ロシア大統領の側近が25日に来韓、文韓国大統領と面会」(朝鮮日報)−−など気が付いたら重要イベントが集中していた。明日は、ある種のヤマ場となり、東京時間から波乱含みの展開をたどる可能性もありそうだ。
テクニカルに見た場合、大きな意味では引き続きレンジ内で方向性はいまだ乏しい。ただ、リスクという意味ではドル安方向にバイアスか。昨日記録した本日東京安値の111.66円を仮に下回れば、移動平均の200日線が位置する111円半ば、同25日線が位置する111.30円レベルなどがターゲットとなりそうだ。
それに対し、上値は112円台がかなり重そうだが、年初来高値112.16円をしっかり抜ければドルの一段高進行も。
一方、材料的に見た場合、EIA週間石油在庫統計など幾つかの経済指標が発表されるものの、マーケットの関心は低く、基本的にはノーインパクトか。ただ、米財務省による5年債入札やボーイング、キャタピラーなどの決算発表が予定されており、それらは一応要注意。
ただ、先でも指摘したように、明25日に重要イベントが何故か集中したことで、本日は基本的にそれらにらみで売買手控えムードが強まる可能性も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.50-112.20円。ドル高・円安方向は、昨日ワンタッチしたにとどまった112円レベルが最初の抵抗。上抜ければ、年初来高値112.16円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の111.75円レベル、そして昨日安値111.66円の攻防にまずは注視。ただ、割り込んでも移動平均の200日線が位置する111円半ばをはじめ下方向にサポートは多く、底堅い雰囲気は継続されている。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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