海外時間の為替概況
10日の海外時間でドル円は続落。NY時間序盤は前日の下落の反動から買い戻しが優勢となり、一時日通し高値となる111.28まで上昇する場面も見られましたが、米消費者物価指数(CPI)の食品・エネルギーを除くコア指数が市場予想を下回る伸びに留まると、良好な米10年債入札を受けた米長期金利の低下も重石となり、NY時間午後にかけては、7営業日ぶり安値となる110.85まで下げ幅を広げました。尚、日本時間3:00に発表された米FOMC議事要旨(3/19―3/20開催分)では、米経済の鈍化リスクや、英国や欧州・中国を巡る著しい不確実性、状況に応じた政策の柔軟性に触れられつつも、年内利下げの必要性に対する記述が見られず、市場では予想されたほどハト派的では無いと受け止められました。米長期金利が下げ幅を縮小する中、ドル円も引けにかけて小反発。日本時間5:30時点では111円ちょうど近辺で推移しています。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は週初にチャートポイントとして意識される200日移動平均線(111.50)を割り込むと、その後3日連続で陰線を描きました。前週まで見られていた堅調な動きは影を潜め、一転して上値の重さが目立ち始めております。昨日は21日移動平均線(111.08)も明確に下回り、俄かロング勢(111円台前半で押し目買いを入れていた短期筋)のロスカットが再び誘発されました。辛うじて一目均衡表基準線(110.83)や、一目均衡表雲上限(110.77)にサポートされておりますが、市場センチメントの悪化を背景に、上値が断続的に切り下がってきている点に注意が必要です。
本日は日本時間10:30に発表される中国の3月物価統計(CPIとPPI)、15:00に発表されるドイツの3月消費者物価指数、21:30に発表される米国の3月生産者物価指数に注目が集まります。冴えない物価の伸びが示されれば、「世界的なインフレ鈍化懸念→世界的な金融緩和観測の高まり→世界的な長期金利低下」の波及経路を通じて、日本円が消去法的に上昇する展開も見込まれます。英国を巡る不確実性など、リスク回避的な円買いが強まり易い地合であることも考慮すれば、ドル円やクロス円の反発余地は乏しく、やや下落方向に注意が必要と言えるでしょう。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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