ドル円小幅下落 ECB理事会FOMC議事要旨は影響軽微
イベント集中日となった10日の海外市場でドル円は小幅下落。日中の111円台前半の小動きからやや下げて、一時110.89まで下げた後東京時間7:00現在は110.95レベルでの取引です。
昨日注目されたECB理事会ではステートメントに基本的な変更はありませんでしたが、記者会見でドラギ総裁は3月以降の更なる成長鈍化に言及しています。今回注目されていたマイナス金利の修正については異なる業態の金融機関への影響の調査を継続しプロスコンスを検討していくと述べるにとどまりました。
一方記者会見開始とほぼ同時刻に発表された3月の米消費者物価指数はヘッドラインこそ市場予想通りの前年比+0.4%であったものの、食品、エネルギーを除くコア部分が前年比+0.1%と市場予想+0.2%を下回り、これを受けてドル円はやや乱高下の後下落に転じています。
その後公表された3月のFOMC議事要旨では、大半の参加者は年内の政策金利据え置きが望ましいと主張するなかで数人の参加者は潜在成長率を上回れば利上げをすべきと主張したことが明らかになり、逆に利下げの可能性には直接の言及はみられませんでした。
また、第2四半期以降の景気先行きに関しては比較的楽観的で、全般的に声明発表時の印象よりハト派感の薄い内容でした。これを受けてドル円は底値からやや回復しています。
尚、7:00時点で英国のEU離脱延期に関するEUの臨時首脳会談は継続中です。
(7:48追記)
EUのトゥスク大統領はEU首脳が英国の離脱延期で合意したことを確認しました。離脱期限は10/31となった模様です。
テクニカルにはドル円は昨夜の下落で21日線を下抜け、再び1月3日からの上昇トレンドから下放れ、一目均衡表の雲の上限とのスキマに落ちこんだ形ですが、ここまでイベントを無難にこなした印象ですので、EU首脳会談で英国の離脱延長が認められた場合にはリスク選好の回復からの円の売り戻しもありうるものと思われます。
本日はこの後10:30に中国の3月CPIおよびPPIの公表が予定されています。
ドル円日足
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