ドル円112円乗せへの期待も、米雇用統計を注視(4/5夕)

5日の東京市場は、ドルが小じっかり。前日上抜けてきた移動平均の200日線をサポートに、一時111.80円レベルまで続伸する局面も観測されていた。

ドル円112円乗せへの期待も、米雇用統計を注視(4/5夕)

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5日の東京市場は、ドルが小じっかり。前日上抜けてきた移動平均の200日線をサポートに、一時111.80円レベルまで続伸する局面も観測されていた。

ドル/円は111.65円前後で寄り付いたものの、全般的には売買手控えムード。実際、終日を通した値動きは20ポイントほどにとどまっている。
しかしながら、そうしたなかでもドルはじり高に推移すると、一時111.80円まで値を上げ、直近の戻り高値を更新した。16時時点では、再び寄り付きレベルまで小緩み111.65-70円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、為替市場はポンドで若干変動が見られたが総じて静か。ただ、仮想通貨は本日もなかなか荒い値動き。ビットコインは、昨日NY終盤に5000ドル台から4800ドル割れまで値を下げたのち、本日東京には一転して右肩上がり。5000ドルに迫る「行って来い」となっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中通商協議」について。
前者は、英首相報道官から「8日の示唆的投票は想定せず」、「離脱案合意に向けた与野党協議は5日も継続」との発言が聞かれるなか、欧州委副委員長が「英はハードブレグジットに向かっている」とコメントしていたようだ。そのほか、BBCは「EU大統領が英EU離脱の12ヵ月間延期を提案」と報じ、ポンドの買い要因に。
対して後者は、トランプ米大統領から「中国との貿易合意はまだ準備できていない」、「中国と今後4週間以内に貿易合意の可能性」との発言が聞かれるなか、中国サイドからも「習主席、米国での貿易協議で大幅な進展」、「習主席が中国と米国の貿易協議めぐる文書で早期決着求める」(ともに新華社電)といった報道が観測されている。

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移動平均の200日線が位置するなど、上値が重かった111円半ばを昨日上抜け、その勢いを継いで本日東京では一時111.80円レベルまで続伸している。流れからすれば、リスクは当然上向き。112円そして112.13円も視界内に捉えられている感を否めない。なお、昨年高値114.55円を起点としたフィボナッチの観点では、112.13円を超えれば114.55円がターゲットとなりそうだ。
材料的に見た場合、一応本日の5日が期限とされる「米中閣僚級通商交渉」にまずは注視。一部メディアからは、協議難航のためか「期日延長の可能性」も報じられていたが、先でも取り上げたようにトランプ発言をはじめ全体的なトーンとしては楽観見通しが優勢だ。材料出尽くしによる利益確定売りには注意しつつ、基本的には好感したドル買いが続く可能性がある。そのほか、本日は注目の米雇用統計の発表が予定されており、そちらも要注意。前月ネガティブサプライズとなっただけに、今回も強い警戒感を抱く向きが少なくない。

テクニカルに見た場合、ドルの上値を抑制してきた移動平均の200日線をいよいよ上抜けてきた。次のターゲットとして意識されるのは、年初来高値の112.13円。ちなみに、昨年高値114.55円を起点とした下げ幅のフィボナッチを考えた場合、76.4%戻しは112.10円レベルとなる。つまり、年初来高値を超えた場合、フィボナッチの観点では100%戻しに当たる114.55円が次の上値メドとなりそうだ。
上記のようにリスクは原則としてドル高方向だが、200日線をしっかりと下回った場合には、その限りでない。また、NYクローズでの攻防にも要注意。

一方、材料的に見た場合、3月の米雇用統計という重要な経済指標が発表される予定となっている。市場がもっとも注視する非農業部門雇用者数は先月プラス2万人という、予想外の数字となっただけに、今月も警戒感は強い。ちなみに、事前予想値はプラス17.7万人程度が見込まれているが、先日発表されたADP雇用者数は事前予想値を下回る内容だった。いずれにしても、指標発表前後の市場は乱高下をたどる公算も大きく、注意を払いたい。
そのほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁による講演や、「米中閣僚級通商交渉」に関する一連動きなども波乱要因として意識しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.10-112.10円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の111.80円レベルが最初の抵抗。超えた場合には112円台回復、112.13円の年初来高値がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆時に上回っている200日線(111円半ば)の攻防にまずは注視。割り込むようだと、111.20円レベルあるいは110.70-80円などが意識されそうだ。

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