ドル円見通し 3月25日からの揺れ返し上昇続くが111.50円前後は上値が重い(4/4)

3日夜はドル売り圧力もかかり、ポンド高がドル円の上値を抑えたが、株高・米長期利回り上昇が下値を支えたという状況だ。

ドル円見通し 3月25日からの揺れ返し上昇続くが111.50円前後は上値が重い(4/4)

【概況】

3月15日の戻り高値111.90円を起点として3月25日安値109.72円まで6日間で2.18円幅の円高ドル安だったが、そこから揺れ返しの上昇に入り、4月3日高値111.57円まで7日間で1.85円幅の上昇となった。揺れ返しの上昇がその前の下落時よりも長いが、下落幅を解消できずにいる。
米長期債利回りが米3か月物TBレートを下回る逆イールドが発生するほどに低下していたが、3月28日以降は下げ一服から上昇しており、長期金利差でのドル売り圧力が後退していること、債券安株高によりリスクオン心理もやや優勢となっての上昇という印象だが、米中協議の進展待ちと週末の米雇用統計を控えて一気呵成に高値を試す程の強気心理には至っていないようだ。

3日夜は米ADP民間雇用統計やISM非製造業景況指数が予想より弱かったことによるドル売り圧力もかかり、ブレクジットの延期期待によるポンド高がドル円の上値を抑えたが、米中通商協議への進展期待での株高・米長期利回り上昇が下値を支えたという状況だ。
米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した3月の全米雇用報告では非農業部門民間就業者数は前月比12万9000人増で市場予想の17万人増を下回った。2月分は18万3000人増から19万7000人増に上方修正された。
米サプライ管理協会(ISM)が発表した3月の米非製造業景況指数は56.1で前月の59.7から低下、市場予想の58.0も下回った。これらはドル安要因だったが労働省雇用統計前のために市場反応も限定的だった。

米中協議関連ではやや楽観ムードが先行した。米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長が米中通商協議は進展していると述べ、英フィナンシャル・タイムズ紙が「米中が通商合意の障害となっていたほぼすべての問題を解決した」と報じたことが株高を支え、債券売りから米長期債利回り上昇要因となったようだ。ただしクドロー委員長は「不公正慣行の 是正策や中国に合意を履行させる仕組みづくりなどは最終決着していない」とも強調している。

国際通貨基金(IMF)は3日に発表した世界経済見通しで、米中貿易協議が決裂して双方が全品目に25%の追加関税を発動すれば2国間貿易は長期的に30〜70%落ち込む恐れがあるとの試算を示した。今のところ株式市場はこの問題に対してやや楽観的スタンスで推移しているが、米国の仕掛ける貿易戦争は昨年3月の鉄鋼・アルミ関税発動宣言から既に1年を経過、米中協議も去年6月の閣僚級協議決裂から1年近くを経過してもなお合意に至っていない難題だ。米朝首脳会談が決裂に終わったように、米中首脳会談も果たして実現できるのかどうか、首脳会談が実現してもトランプ大統領が合意に署名しないで席を立つのか、合意されても中国に不利益で世界貿易にマイナスとなる内容になりはしないか、懸念は尽きない。

【ドル指数の上昇一服】

ジャー通貨の加重平均であるドル指数は3月20日安値95.74から4月2日高値97.52へ上昇したが、昨年12月14日高値97.72超えには至らずに3日にかけて下落した。1月9日以降は戻り高値を切り上げ、その後の安値も切り上げつつ、2週程度上げて下げ、また2週程度上昇してから下げる循環的なジグザグ上昇を継続して昨年12月高値に迫ってきている。4月3日からは上げ一服だが、米雇用統計や米中協議報道、あるいはトランプ大統領発言等によっては12月高値を突破して一段高入りする可能性がある。米景気への楽観や株高を背景にした一段高ならドル円の上昇に寄与すると思われるが、リスクオフ的にドルストレートでのドル高が進む場合は、リスクオフでの円高がドル高に勝ってドル円は下落という可能性もある。

ドル円は3月5日高値から3月25日安値へ下落した後に切り返してきた。3月5日高値を超えれば1月3日暴落底からの上昇はさらに継続となり、昨年10月4日天井114.54円を目指す可能性も出てくるかもしれない。しかし3月5日高値前後までで上げ止まるか、届かずに失速する場合は下げ再開へ向かい、3月25日安値割れからは2段目の下落入りとして先安感が強まると考えられる。週末の雇用統計はいずれへ進めるのか、その可能性を示すきっかけになるかもしれない。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは3月28日午後安値109.99円を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして4月1日から4月3日にかけての間への上昇を想定してきたが、2日午前に111.45円まで上昇した後は横ばいとなり、3日午前に111.19円までいったん下げてからの反騰で3日午後に高値を更新した。そのため28日午後安値から4日目となる3日午前安値を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りと仮定する。トップ形成期は4月5日の日中から9日にかけての間とするが、3日午後高値の後は伸び悩みとなっており、2日午前安値割れに対する余裕も乏しい。このため3日午前安値割れの場合は底割れによる新たな弱気サイクル入りと仮定して8日から10日にかけての間への下落を基本想定とするが、4日の日中に安値をつけてから高値更新の場合は直近のサイクルボトムを直前安値へ改めて強気サイクル入りとし、8日から10日にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では3月28日夜の上昇で先行スパンを上抜いてからは先行スパン突破状況を維持しているが、4日午前時点ではその上限に来ている。先行スパンへ潜り込んでも切り返す内は上昇余地ありとし、3日高値超えからは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落の場合は弱気転換と仮定して遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は4月2日未明高値以降の高値更新に対して指数のピークが切り下がる弱気逆行現象が出ている。50ポイント割れへ下降しているので下落しやすい状況とも割れる。50ポイント以下での推移中は4月3日安値割れからの下落入りを警戒するが、60ポイント超えへ上昇して相場も高値更新なら逆行破りによる上昇入りとし70ポイントを目指す上昇期に入るとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4月3日安値111.19円を支持線、4月3日高値111.57円を抵抗線とする。
(2)111.19円を割り込まない内は上昇余地ありとし、111.57円超えからは3月20日高値111.69円、さらに3月15日高値111.90円を段階的に目指すとみる。ただし週末の米雇用統計も控えているので一挙に112円を目指すには押上材料が必要とみて、111.70円以上は反落警戒圏とする。
(3)111.19円割れからは下げ再開として4月1日夜安値110.82円前後試しへ向かうとみる。111円割れでは押し目買いも入りやすいとみるが、110.82円割れから続落の場合は110.50円台まで下値目処を引き下げる。

【当面の主な予定】

4/4(木)
15:00 (独) 2月 製造業新規受注 前月比 (1月 -2.6%、予想 0.3%)
15:00 (独) 2月 製造業新規受注 前年同月比 (1月 -3.9%、予想 -3.1%)
20:30 (欧) 欧州中銀(ECB)理事会議事要旨(3月6-7日会合分)
21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前週 21.1万件、予想 21.6万件)
22:00 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、講演原稿公表
26:00 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁(FOMC投票権有)講演

4/5(金)
休 場 (中) 清明節
休 場 (香) 清明節
G7外相会合(仏ディナールなど、4月6日まで)
08:30 (日) 2月 全世帯消費支出 前年同月比 (1月 2.0%、予想 1.9%)
14:00 (日) 2月 景気先行指数(CI)速報 (1月 96.5、予想 97.2)
15:00 (独) 2月 鉱工業生産 前月比 (1月 -0.8%、予想 0.5%)
15:00 (独) 2月 鉱工業生産 前年同月比 (1月 -3.3%、予想 -1.4%)
21:30 (米) 3月 雇用統計 非農業部門就業者数 前月比 (2月 2.0万人、予想 17.8万人)
21:30 (米) 3月 失業率 (2月 3.8%、予想 3.8%)
21:30 (米) 3月 平均時給 前月比 (2月 0.4%、予想 0.2%)
21:30 (米) 3月 平均時給 前年同月比 (2月 3.4%、予想 3.4%)
28:30 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁(FOMC投票権有)講演

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