米3月雇用統計事前予想
(今回発表予想)4月4日10時現在
明日5日、米失業率関連の指標が発表されます。今回の予想値は上記となっています。尚、3月10日に米国は夏時間適用になっていますので、日本時間21時半発表になります。
(黒線の右側は今回の米国失業率予想を加味しています)
失業率…
2月の失業率は予想(3.9%)より改善し3.8%となりました。3月予想は前回と同じで、レンジは3.7〜3.9%になっています。3月時のFOMC予想では2019年は中間値で3.7%、レンジが3.6%〜3.8%ですので、まだ改善の余地は残していますが、リーマン前より数値は改善しているので、ここからの余力は少なくなります。仮に4%丁度が出てもあまり材料視されないと思われます。
尚、4月1日にユーロ圏の2月失業率は予想通りの7.8%で、ここ数ヶ月横這っています。
(チャートの青ライン)
非農業部門雇用者数(NFP)…
2月のNFPは予想18.0万人に対し、結果は僅か2.0万人となり、エコノミストの予想レンジ8.5万人〜25万人の下限をも大きく下割れしました。今回の3月NFP予想平均値は18万人になっていますが、もし先月と同じ位の水準(例えば5万人以下)になった場合は、米雇用に変調が起き始めている可能性もあり、失業率は先々悪化していくと分析できます。失業率は完全雇用に近い水準で、NFPも大きく増える時期は既に終わっていると見ているものの、まだ急激な悪化は予想していないようです。
今回、ADP社の数値が予想を大きく下回ったことで、米経済拡大基調の終わりの始まりか?と捉えているエコノミストもいますので、今回の数値は悪化のトレンドを作るのか否か注目されています。
(黒い線より右側のオレンジはADPの実数値)
チャートはこれまでのNFP(青)とADP(オレンジ)の比較をしたもので、当月から1年間を遡り(例:2019年3月分は2018年4月〜2019年3月の集計)各月で1年合計を記載しています。2018年3月以降はADPとNFPの差が月平均0.1万〜2.8万人でした(絶対値にしています)。
平均時給…
2月の予想は+0.3%で、結果は+0.4%となり、NFPの大幅悪化によるドル売り材料を打ち消しました。
3月は+0.3%予想で、前月比小幅減ですので、この数値なら米国消費への悪影響は少ないと思います。
先月の雇用統計発表以降に起きた米長短金利逆転(逆イールドカーブ)や、昨年末からの冴えない経済指標に世界景気鈍感懸念が起きていますが、米株式市場は企業業績悪化の材料より、金利軟化から配当性向高くなるとの見方で株買いになっている様です。ここまで株価が上がると、12月の株安はそれまでの調整安で、再度新値更新に向かっているとの見方が増えてきています。明日の数値でどうなるか注目されます。
ドル/円の相場は発表数値次第になりそうですが、現状では111円80銭〜90銭の抵抗線、先月雇用統計前の高値112円14銭付近が上値目途になっています。後者を越えれば新たなドル買いが出易い状況になります。一方で下値は111円00銭〜10銭、110円60銭にサポートありますが、今回のドル買いは109円70銭を切ってくると一度手仕舞いの売りになりそうです。ここ2日間のレンジ幅が少ないので、明日の雇用統計までは111円10銭〜80銭に収まりそうな感じです。
尚、波乱要因があるとすれば、今日の東京時間20時半に公表される「欧州中銀理事会議事要旨」になります。先日のドラギ総裁記者会見以上に景気悪化懸念の内容があるとユーロ売りに反応しそうです。
(2019年4月4日13:00、1ドル=111円42銭、1ユーロ=1.1241ドル)
オーダー/ポジション状況
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